日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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「犬神家の戸籍: 「血」と「家」の近代日本」

犬神家の戸籍: 「血」と「家」の近代日本
遠藤正敬著・青土社

 横溝正史の『犬神家の一族』は、1950年1月号から1951年5月号まで雑誌『キング』に連載され、1976年、角川映画第1弾として映画化され大ヒットした作品。以降金田一耕助石坂浩二が演じたシリーズが5作作られます(その後間を開けて2006年に『犬神家の一族』が同じ市川昆監督により石坂金田一でセルフリメイクされているので厳密に言えば6作)。

 横溝ものというと、旧家、血の因縁がテーマとなっていることが多く、それがとっつきにくさの現任になっていたりするのですが、今でもこれらの作品が度々映像化されるのは、核家族化の現代でも、大家族というとある種のノスタルジーというか、誤解を恐れずいうと”憧れ”みたいなものがあるのかも知れません。
 さて本書。
 有りそうで無かった『犬神家の一族』を戸籍の側面から解題した内容。犬神”家”は決して歴史ある華麗なる一族ではなく、もともと孤児だった佐兵衛翁が起こした新興財閥。メインの、松子竹子梅子の三姉妹は、3人とも別の女に産ませた異母兄弟。更に、佐兵衛翁が晩年女工若い女、青沼菊乃と情を通じて左兵衛唯一の男子(静馬)が産まれる。
長子相続の時代、男子が生まれれば家督は静馬に継がれる。犬神家の家宝、斧・琴・菊を渡された菊乃。松子竹子梅子にしてみれば面白くなく、結果青沼親子を襲撃して佐兵衛と別れさせられる。 
 佐兵衛翁の放埒な性癖で形成された一族。由緒正しい守るべき”家”とは言い難い。原作も読んだけど76年映画版がもっとも印象深いです。佐兵衛翁の愛が、歪んだ形で子孫の連続殺人を生む。作品が生まれる背景に作者の横溝正史の複雑な家系があったらしい。
犬神家の一族』好きなワタシ的には大変興味深く読めました。

76年版の4KリマスターUHD、買ったけどまだ観ていない。この3連休でみようかしら。。
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