日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

思ったこと、思っていること。読んだ本、観た映画、TV。聴いた音楽…。会社でのこと、家族のこと、自分のこと。日々のうつろいを定着させています。はてなダイアリー開始は2003年、2006年4月から毎日更新継続中。2017年6月8日「はてなblog」アカウント取得、2019年1月「はてなダイアリー」から正式移行しました。アクセスカウンター2019年01月26日まではpv(2310365)です。

「ペインレス」

ペインレス(上)―私の痛みを抱いて―(新潮文庫) ペインレス(下)―あなたの愛を殺して―(新潮文庫)
天童荒太著・新潮文庫
心の痛みを感じない女、ペインクリニックの医師・万浬。海外で爆発事故に巻き込まれ、身体の痛みを感じなくなった森悟。そして、若い頃に与えられた痛みを再現したいと願う末期がん患者の曽根。
痛みの克服こそが”進化”であると考える万浬は、周りの人を巻き込みながら、痛みの本質に迫っていく。

痛みとどう付き合っていくかが、人生でもっとも大きな課題で、痛みの支配から解放される事が進化だというのは、ある意味正しい。
しかし同時に痛みは危険に対する”信号”であり、痛みがあるからこそブレーキがかけられる。痛みを感じなければ、極限まで身体に負荷をかけることができるけど、負荷に耐えられない身体の機関は壊れてしまう。人間の身体は壊れてしまえば元通りになることはほとんどの場合、ない。
それはこころも同じで、必要以上に負荷をかけられた時、こころはバランスを保てなくなり、崩壊すれば廃人になる。身体と違い、こころは目に見えないものだけにその影響も治療方法も明確でない。
特にこころの痛みの克服に必要なものは知性と理性であるという万浬は、愛してくれている人々を犠牲にして、己の考えを”実験”していく。

歳をとるに従い、腰や脚や関節やらの痛みと始終付き合うことになり、痛みを忘れることがなかなかできなくなる。身体にガタが来ている証拠で、稼働許容性が減っているからかも。
同じように、ちょっとしたドラマを見ても心が動いて涙もろくなる。これも防衛反応なのかもしれません。
痛みから解放されたいという思いは常にあるけれど、それが本当に正しい事か、この本を読んでいると揺らいできます。

でもいままさに心の状態がそんな感じ。ただ今のところ、自分がやらないと他の人に迷惑が掛かる、冷たい対応をすると相手の気分を害してしまう、と考えられているから大丈夫なんだけど、逆にそれに押しつぶされかけていて、その影響が身体に出てきています。ふらついてまっすぐ歩けません。

今日もあまりにきつく早退(Flexだけど)し、家に帰って寝てました。
先月、先々月に比べればちょっと余裕ができてきたんですけど、今になってバランスが崩れた感じ。

いや、大丈夫なんですけどね。この峠を越えれば…と思って動いているものの峠を越えて下り坂にならずにまた山があって、終わりが見えない、でも進まないといけないという状況が心身ともに疲弊してきている原因。

痛みを感じず進めたらどんなに楽か。でもそんなのはフィクションの中にしかなく、痛みの超越、克服を手に入れるほど私も含め人類はそこまで進化していない。

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