2021年・米・アン・ヘダー脚本・監督
2022アカデミー作品賞・脚本賞・助演男優賞受賞。
金曜ロードショーでやっていたので見ました。これ見たかったんですよね。
アメリカの漁師町に育った女子高校生のルビー・ロッシ( エミリア・ジョーンズ)は、朝3時に起床して聾者の父や兄と漁船で海に出る日々を過ごしている。ルビーの家族は母も含め全員が聾者で、一人だけ耳が聞こえるルビーは、幼い頃から家族の通訳として欠かせない存在。
幼い頃聾家族特有の健常者と異なる発声を揶揄されて、人前で話すことも歌うこともトラウマになっている。それでも歌うことが大好きで、高校の合唱部に入るルビー。合唱を指導する音楽教師は、ルビーの歌声に非凡なものを感じ、個人レッスンをかって出てバークリー音楽大学への進学を勧める。でも様々な制限で漁獲量が少なくなり漁師の仕事も順調ではなく、更に耳の聞こえない両親の通訳もしなければならないルビーに大学に行く余裕はない。歌は続けたいが、生まれてからずっとしている家族の手伝いはほかの人には頼めない。悩むルビー。
ハイスクールの合唱部の発表会に両親と兄招待するルビー。耳の聞こえない家族はルビーの生き生きと歌う姿にある決意をする。
大きなドラマがあるわけでもドキドキワクワクする物語もない。
ただ厳しい環境、運命を受け入れつつ葛藤をする主人公のルビーの演技は素晴らしいが、聾唖の家族、父のフランク(トロイ・コッツァー)、母のジャッキー(マーリー・マトリン)、兄のレオ(ダニエル・デュラント)は実際に手話での会話が日常の聾者。
耳の聞こえない家族に音楽のすばらしさをどう伝え理解を得るかがキーポイントですが、ルビーは大学に行くためにそれをするのではなく、自分を理解してもらう為に行動するというのがよい。
音楽はいい。
耳の聞こえない人にもどうやってそれを伝えるか。
これは挑戦の映画であり、相互理解の映画です。
狙ったあざとい感動ではなくじんわりと心に響く映画でした。
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