体調が悪くて全然頭に入らず、読み終えるのに1ヶ月近くかかってしまった。。
「竜二」は映画館で観ておらず、映画公開中に脚本・主演の金子正次が亡くなったというニュースを先に知っており、その後レンタルビデオで見たのが最初でした。
フォーリーブスの北公次が出ているということと、やくざものということしか知らず借りて観て、衝撃を受けました。
上京しアングラ劇団で主役を張るようになった金子は”銀幕のスター”になりたかった。でも声がかからない。そこで自分で脚本を書き売り込むがうまくいかない。最後は、自己資金と支援者、友人から金を借りて映画を作ってしまう。「竜二」制作を虚実織り交ぜて「竜二Forever」という作品も2002年に公開されています。
70年代に隆盛を誇った映画も80年代に入ると観客動員数は下降の一途をたどっており、大手映画会社は青息吐息、大映は71年に倒産し、東映はやくざもの、東宝は制作部門を切り離し、映画よりもTVに軸足を移す。日活は”にっかつ”となりロマンポルノに活路を見出し、角川映画だけが気を吐いていた頃。
もう映画の時代ではなくなった中で、それでも金子は自分の好きなやくざ映画でスターになりたかった。
その最後の灯、金子が命をかけて作った「竜二」は、金子の死が最大の宣伝効果になり、大ヒットする。
自力で星を掴んだ男、金子正次。
享年三十三。
「竜二」を含む5本の脚本(「チンピラ」「竜二」「獅子王たちの夏」「盆踊り」「ちょうちん」)だけを残し駆け抜けた金子は、その生きざまを多くの人に刻み付けて、間違いなくスターの階段を一歩進んだ。
金子正次脚本作品↓
(リメイク)
「盆踊り」だけ映画化されていません。金子正次の人生を映画化した作品「竜二Forever」