1988年東宝。和泉聖治監督。「「相棒」劇場版」の監督なんだね。この5月にやっとDVD化されたらしい。TSUTAYA100円レンタルで借りてきました。この頃のニューヤクザ映画、結構好きです。
高倉健さんの任侠ものから「仁義なき戦い」の実録路線と続いた東映のやくざ映画も80年代になるとすっかり飽きられていましたが、自主制作映画「竜二」大ヒットによって、ソフトなヤクザ映画をメジャー映画も作りはじめ、次々とヒットを飛ばしていました。この作品もそんな中作られた、トレンディなヤクザ映画の一つ。
元銀行員の坂井亮(陣内孝則)が賭けマージャンで負け、袋叩きにあいそうなところを、同じ卓を囲んでいたヤクザの中川(日下武史)に助けられ、そのまま舎弟分に。適当な割には律儀で、暴力的でありながら優しい陣内は、女と歩いていると元カレ(こいつもヤクザ)にからまれ、その喧嘩で腹を刺され病院に。そこで病院の娘、圭子(麻生祐未)と出逢う。腹の傷を縫う時に麻酔が見つからない。麻酔の代わりに手を握っててくれと陣内が麻生祐未にいう。それからしばらくして、バーでやけ酒を飲んでる麻生祐未に逢う陣内。麻生祐未は、野心家の父親の策略で不動産屋のドラ息子と婚約させられたらしい。荒れている麻生祐未に一晩中Hもせず付き合う陣内(誘ったけど騒がれた…)。そんな優しい陣内に好意をもった麻生祐未は、夜明けの渋谷で別れ際にキスをし次に会う約束をするが、陣内は、叔父貴筋に発砲し自首、収監されてしまう。
3年後出所してきた時、自分の部屋に中川から事情を聞いた麻生祐未がいた。婚約を破棄し陣内を待っていた。。。
みんな若い。麻生祐未は可愛い。そりゃもう23年前だもんね。この頃のヤクザ映画というのは、一歩間違うとヤクザ賛美、ヤクザかっこいいになりますが、それだけではここまで多く作られないし、ヒットもしなかったと思います。時代はバブル真っ盛り。バブルというとこの時代を知らない人はみんな派手に遊んでいると思われがちですが、それだけ経済が回ってるってことは、社会人はみんな今以上に忙しい毎日を過ごしていたのです。私もちょうどこの映画が公開された1988年に新社会人となりましたが、昔は定時に帰宅するなんてありえなかったし、遅くまで仕事しているのに、そのまま街に出て終電も気にせず遊びまくってた。そういう真面目と不真面目が同居した時代をこれらニューヤクザ映画は表現しているんじゃないかな。
細かいことは抜きにして、この映画、実は好きでビデオでも何度もみました。本物の元ヤクザ、安藤組組長、安藤昇が牧師をやっていたり、原作者で元ヤクザの原作者安部譲二もヤクザ役で出てるところも良い。東映やくざ者と言えば成田三樹夫は外せません。2シーンだけですけど勿論出演してます。
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