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「野獣刑事」 を観る。 

1982(昭和57年)公開。東映工藤栄一監督作品。
工藤栄一監督は、東映出身の監督さん。私は映画よりも。『必殺』シリーズや、『傷だらけの天使』の演出家として工藤監督の作品に触れた事が多い。

 「野獣刑事(でか)」は、大阪の街を舞台にして緒方拳扮するアウトローな刑事・大滝が、赤い傘を持った女が襲われる連続通り魔事件を追う話。当時話題になったのは、いしだあゆみの濡れ場とヌードシーンがあるということで、そういえばそのシーンの載った「PLAYBOY」だか「平凡パンチ」だかを買った憶えがある。いしだあゆみは映画「日本沈没」でも黒いビキニの肢体を惜しげもなく披露していますが、バストトップまで見えるのはこの映画だけ。「野獣刑事」撮影時は34歳、一番きれいな時かも。

 と、そな話はともかく、「野獣刑事」、初めて観たけど面白い。ストーリーはこんな感じ。
 大阪、今宮署管内で通り魔殺人事件が起きる。捜査にあたる刑事大滝(緒方拳)は、優秀だけど署内でも独断先行、暴力をも厭わないはみ出し刑事。その愛人、恵子(いしだあゆみ)の家に入り昼間から情事に耽る。恵子は、以前大滝が麻薬取締法で逮捕、現在服役中の阪上(泉谷しげる)の奥さんで小学生の男の子稔といっしょに暮らしている。
 大滝は、単独で通り魔殺人事件を追い、容疑者らしい男(益岡徹)を発見する。そんな時、2件目の通り魔殺人が起きる。一方、恵子のもとに阪上が出所してくる。稔は、大滝よりも阪上になつくのはやはり血がつながった親子ということか。貧乏を背景に稔も万引きを繰り返す悪童だし。
 しかし、阪上はやはりシャブから抜けられず、挙句の果てに恵子を金属バットを振り回しながら街中を追いかけまわす。ここら辺のシャブ中患者ぶりは、真に迫ってて恐ろしい位。そんでまた御用。
 容疑者と思われる男を別件逮捕した大滝は、取調室での暴行が上司に知れ、捜査から外される。第一線に返り咲く為に、恵子をおとりに使って犯人をおびき出す作戦を考え、恵子はそれを了承するが…。って感じ。

 とにかく役者の演技がみんないい。特にいしだあゆみの不幸を背負った女だけど、だめな男に対してもとても優しい女性や、駄目男をやらせたら日本一の俳優、緒方拳のやっぱり駄目っぷり。そして狂人をやらせたらこれも右に出るものはいないであろう泉谷しげる。緒方拳の上司、府警捜査1係長は、成田三樹夫ときては、警察なんだか、ヤクザ組織なんだか(^-^;)。事大主義の警察署長が、藤田まこと。これは贅沢な俳優陣です。
 それと、工藤監督は光と影の魔術師と言われるだけあって、画面の色使いが良いです。空の色、影の使い方どれも素晴らしい。

 こういう傑作が埋もれてしまうのは本当にもったいない。緒方拳追悼で一昨年DVD化されやっといつでも観れる環境に。こうして、古い良作はどんどんデジタル化しないとそのうち観れなくなっちゃう。みんな少しでも気にいった作品があったら、映画館に行くだけじゃなくてDVDも買うようにして支えましょう。
 あ、ちなみにゲームの「野獣刑事 東京同時多発テロを鎮圧せよ!」は全く別のお話です。

 「野獣刑事」については、フリークの方が詳細をまとめておられます。ご覧になった方で更に詳しく知りたい方、必見です↓
映画「野獣刑事」信者  
http://yaju-deka.cocolog-nifty.com/blog/

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