原田芳雄。享年71歳。
先日の「大鹿村騒動記」の舞台挨拶に車椅子に乗った姿をTVで拝見しました。
原田芳雄といえば、若い頃はギラギラとしていていつ爆発してもおかしくない雰囲気があって、彼が画面に出てくると緊張感がありました。後年のドラマでも「昔は悪かったんだよ」的な感じで、とてもいい役者さんでした。
「竜馬暗殺」1974ATG。この原田竜馬の圧倒的な存在感、ワイルドさに刮目せよ。
最近、癖のある役者さんがなかなかいない。みんなイケメン、茶髪、ひょろりと背が高くて優しい感じ。二枚目俳優は居てもよいのですが、それだけでは物語は成立しません。アクが強くて主役を食ってしまうような脇役がいてこそ画面が引き締まるというもの。原田芳雄は、主役が張れて、脇に回っても独特の色彩を放つ稀有な役者さんでした。
そんな彼も病気には勝てなかった。それでも、最後の舞台挨拶をしっかりと行い、逝った。本当にすごい役者さんだ。もうこんな役者さんは出てこないんだろうな。
名優という言葉では語りつくせない、まさに巨星落つ。
ご冥福をお祈り申し上げます。