半村良 著・講談社文庫
いやいや、寝かせました(笑)。買って10年以上積んでました…(^-^;)。積読本の中では結構古い方。一番古いのは20年以上積んでる山本周五郎の「正雪記」…。常に読む本リストにありながら、なかなかすぐに手が出ない。
さて、このお話。元々アメリカの作家メリットが書いた未完の小説「フォックスウーマン」に半村良が続きを書いたものです。
アメリカの富豪夫婦が、中国にいる老師のもとを訪ねる旅の途中、暴漢に襲われる。男は死に、女は絶体絶命の時に奇妙な狐に助けられる。女のお腹には子どもがいた。襲ったのは中国人だか、その殺人者を雇ったのは、富豪の実の弟。富を自分のものにする為にやった事。
助かった夫人が気がついたのは、2人で向かっていた老師の寺院。彼女は、瀕死の重傷を負っていたが、最後の力を振り絞って子を産み落とす。そして、老師は、夫人に必ず復讐を遂げさせる事を約束する。
ここまでが、メリットが作った話。その後半村良は、アメリカの富豪の弟、実際に殺人を請け負った中国人、そしてその周りの富に群がる男たちが狐によって復讐される様子を描く。富豪の弟が帰国の際に乗った船の船員が日本人で、同乗する中国の美術品を盗んで一攫千金を得ようとする話しも絡め、半村ワールドの骨頂、下町人情話も混ざってくる。
しかし残念ながらこのお話は未完です。生まれた子供は1歳。この先、すごく気になりますが、メリットは勿論半村良も既に故人。あーあ。この先の展開は読者に委ねられたってことか…。どんな結末でもよいのでちゃんと完結させて欲しかったなぁ、半村良。そういえば、全80巻構想の「太陽の世界」も18巻で中断。ワクワクしながら読んでた小説が未完なのは哀しい。。
話は面白いのですが、そういう理由でお勧めできません。フラストレーションたまる。。。

- 作者: 半村良
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1997/11
- メディア: 文庫
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