高千穂遥著・ハヤカワJA文庫。
ハヤカワ書房より再刊されていた「クラッシャージョウ」シリーズも今作で旧作すべての刊行が終了しました。先月発売された別巻1「虹色の地獄」は、映画版「クラッシャージョウ」のノベライズでしたが、今回の「ドルロイの嵐」は、ジョウチームの活躍から20年前、現クラッシャー評議会議長のクラッシャーダン若かりし頃の物語。
惑星ドルロイは、陸地の少ない海洋惑星。陸地を増やす再改造を請負ったクラッシャーダンのチームは、事件に巻き込まれる。ドルロイは最高の技術者集団が移民した星で、そこの主力商品「アクメロイド」という女性型のサポート用アンドロイドが対立するグループによって破壊される。しかしことの真相が明らかになるにつれ、クラッシャーの雇い主・惑星ドルロイの提督ノボ・カネーク・ジュニアが、全宇宙に広がる巨大なマフィアと繋がっていることに気が付く。とまぁこんな話。
ただ、この物語は単に他のシリーズ同様アクション小説であるだけではありません。同世界観の別シリーズ「ダーティペア」シリーズと完全にコラボをしています。この事件をダーティペア側ら描かれた物語(『アクメロイド殺し』(「ダーティペアの大乱戦」所収)もあり、一緒に読むと更に2倍楽しめます。
2度目でしたが、読んだのは前回初版の時ですから実に27年振り。でも相変わらず面白いお話でした。そうなってくると押入れの奥にある「ダーティペアの大乱戦」が読みたくなるのは当たり前。屋根裏を捜しましたが見つからず。屋根裏は暑くて、更に3000冊以上の本の前にあえなく陥落。「新しいの買っちゃおうか…」とのぼやきを耳敏く聞いたカミさん、「ほら言わんこっちゃない!結局後生大事にもってたって、探し出せないんじゃ意味ないじゃん!整理整頓、老い支度よっ」と。仰る通りです。
とまぁそれだけ面白いってこと。
読んだことない人で、活劇好きにはお勧め。他のクラッシャージョウシリーズを知らなくても充分楽しめますし、これをきっかけにダンの息子ジョウの活躍するシリーズを読むのもよし。
- 作者: 高千穂遙,安彦良和
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/06/21
- メディア: 文庫
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