2013年山崎貴監督
カミさんと観に行きました。一緒に映画館で映画観るの久しぶり。
もしかしたら、公開伸びたのかな。この手の映画は昔なら夏休み公開のような気がします。。
さて、元々この映画観たかったのですが、先に原作を読んでしまってやっぱり失敗。戦闘描写はとても良かったのですが、残念ながらお話そのものは、原作を充分に生かしているとは言い難い。なかなか原作を越える映画には出逢えないものです。。
ただ役者さんはみんな良かった。主人公の岡田准一の演技は鬼気迫るものがあり、ヤクザになった景浦の田中泯、濱田岳が歳をとると橋爪功になるのも納得。そして大石役(現代)の夏八木勲。公開には間に合わなかったのですね。最初の平幹二朗、山本學を含め総じて現代の語り部たちは素晴らしかった。
600ページ近くある長い原作を映像化するには、2時間22分でも足りなかったと納得するしかないけど、カットするには惜しいエピソードがありすぎ。戦後遺族となった松乃を助ける為に日本刀を携えヤクザに殴りこんだ景浦についても松乃の語りでさらりと触れただけ。「特攻隊員は自爆テロ」話を三浦春馬くんの合コンでの話題にしてしまうよりも原作の通り姉貴の男友達(某左寄りの新聞記者)が語り、大企業の会長になった武田(映画では山本學)に怒られる方がリアリティがある。もっともこれは、制作委員会に当の朝日新聞が名を連ねてるからそのままできるわけないか…。吹石一恵よかったのに姉貴の比重が原作より軽かったのも尺の問題なんでしょう。橋爪功が病床で語るシーンにも孫がいなかった。ここは孫がいた方がより話に深みを持たせられるところ。
色々と残念なところはありますが、全体的には映像として良くまとめていたと思います。桑田さんのエンディングも良い。
映画をみられた方は、是非原作を読むことをお勧めします。脳内で映画の役者さんを当てながら読んでも違和感ありません。そういう意味では良い映画でした。