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「「危機管理・記者会見」のノウハウ―東日本大震災・政変・スキャンダルをいかに乗り越えるか」

「危機管理・記者会見」のノウハウ―東日本大震災・政変・スキャンダルをいかに乗り越えるか (文春文庫)
佐々敦行著・文春文庫
 2010年2月に「わが記者会見のノウハウ−スキャンダル克服の秘訣」というタイトルで刊行され、2011年7月に改題、文庫化された本。この間に東日本大震災があり、東日本大震災民主党政権の広報の拙さについても書き足されています。

 佐々さんは警察官僚として、国会での答弁、マスコミ会見を何千回も行っており、その経験からこれまでの不祥事会見、謝罪会見をバッタバッタと切りまくるw
 追記の部分には東日本大震災民主党政権、東電のお粗末過ぎる会見が問題を更に混乱させた状況が詳しく分析されています。その後の状況(現在)は想定通り政権から転げ落ちて自公連立政権に。自公連立がベストではないのだけど、少なくとも口だけ政権、その口もまともじゃなかった民主党政権よりは全然ましです。
 雪印船場吉兆、有名な大企業、老舗も記者会見の対応が悪かったばかりに、さらなる不興を買って、会社が倒産、廃業に追い込まれていく。
 
 記者会見というと、おそらくそういう機会は今後あるとは思えませんが、自分の意見を述べたり、逆に相手の意見の盲点を突く時なんかにすごく有効。

 
 一応「ノウハウ」本と銘打っていますので、数々の記者会見と自分の行なった会見への対応について、どこがよかったか、悪かったか、どうすればよかったかなどが分かりやすく例示されており参考になりますが、そういったノウハウ入手という側面よりも、当時の記者会見を佐々さんがどのように見ていたのかということがとてもユニークです。「私は自分自身を客観的に見ることは出来るんです。あなたと違うんです。」」といった福田総理の辞任会見を評価している点。発言の上げ足を取ろうとする愚劣な記者に対して、立場の違いを明確に伝えることで、質問を終わらせる手段だそうで。あなたの立場でそうすることは理解する。だが私の立場ではこうだ。と明確にすることが大切。

 巻末に、それまで語ってきた内容をまとめてくれているので、ノウハウを得たい人はそこだけ読めばよいかもしれません。


 佐々さん、うちの父親とほぼ同い年。これまでも自分の波乱万丈な人生を語られています。さすがに最近はお疲れのご様子ですが、お身体に気を付けて社会を見続けてほしいです。先般の舛添都知事の再三の酷い会見そして辞任劇をどう見たんだろう。そもそも舛添さんもこの本読んでいれば名声地に落ちてもはや誰一人相手にしないなんて状況にはならなかったかもw