日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

思ったこと、思っていること。読んだ本、観た映画、TV。聴いた音楽…。会社でのこと、家族のこと、自分のこと。日々のうつろいを定着させています。はてなダイアリー開始は2003年、2006年4月から毎日更新継続中。2017年6月8日「はてなblog」アカウント取得、2019年1月「はてなダイアリー」から正式移行しました。アクセスカウンター2019年01月26日まではpv(2310365)です。

期待に応えるということ。


 仕事で講演を聞きました。テーマは人権。のはずが、約40分の中で殆ど人権について触れず、バブル崩壊後の失われた10年、20年といった話に終始する。
 これはいけません。
 演者は講演料をもらっているわけで、講演を依頼した側は、「何でも好きに話してください」ということはほとんどなく、何らかのテーマの精通した人選をしてテーマもあらかじめ伝えているはずです。なのに、テーマとは何も関係のない、今自分が話したいこと、今回などは、企業講演だから持ち上げてお茶を濁しておけばいいや的なやっつけぶりが目に余りました。
 更にその「失われた10年」についても、日本人はアピール下手だとか、日本製品はよいけど、海外でで売れない(受け入れられていない)のは海外で売れているものを研究していないからだとか、ちょっとお勉強不足としか言いようのない放言。
 挙句の果てに「『清く正しく美しく』という言葉があって、日本人は清く正しくは誰でもできるけど、美しくという点を意識していない」と。常に美しくあろうとするのは不断の努力が必要だと。いやいや「清く正しく」あろうとするのは、日本人だって大変です。海外の人はもっと大変かもしれないけど。そもそも人権的な話でいえば、日本人だからできるとか、外国人だから難しいという比較こそここで挙げるべきでもなく、どんな人だって清く正しくあろうとするのは大変なこと。
 美しくあろうとすることに努力が必要というのは、わかります。ただ、まずは「清く正しくあろうとすること」にこそ本体努力を払うべきで、そうすることによって内面から美しさが表れてくるもの。外面の美しさなんて、金と時間さえあればある程度は着飾れます。それは努力というものとちょっと違うと思います。
 「いいものをつくっていれば、分かってくれる人がいる」そういう、営業下手の職人気質を美徳としていることについてお話しいただいたんだということは分かりますし、海外のドライな市場からの視点であればそう感じるのも無理はありません。さらに言えば、外観ばかりかっこいいしかし中を開ければお粗末な製品、耐久性のない商品を見た目や上手な宣伝だけで買ってしまう人が世の中にいかに多いということもわかります。100歩譲ってそれが安いものなら良いのです。使い捨てだったり、壊れたら買い替えればよいという軽い気持ちで選ぶのなら。でも物を買う時、外観だけでなく、その商品を信頼して買うのに、自分が思うよりも各段に低い耐久性だったら、使い勝手だったらどうでしょう。でも日本製よりもかっこいい海外製が売れるのは、外側に目を向ける人がおおいってことですよね。海外製がすべて悪いといっているのではなく、勿論日本製だって粗悪なものもあるし、海外製だって優秀なものもあります。ただデザインの勉強が足りない、と演者は言外につたえていました。そうかなぁ。
 アピール下手、アピール不足という指摘は確かにその通りです。でもおそらく日本人は声を大にして自慢をしたりするのって、元来苦手だしこれからもそううまくいかないような気がします。世界市場に受け入れられる為には、今市場で受け入れられている広告宣伝とは異なるやり方が必要かと思います。
 しかしながらかつて日本製が世界を席巻したことがあった時、世界は一斉にジャパンバッシングをしました。今は雌伏していて他が経済成長著しいのに日本だけマイナス成長だということで、なんとなく競合する国々から仲間のように見られていますが、これでまた日本製品が海外製品を駆逐するようになってくると、またジャパンバッシングが起こる事は間違いありません。極東の猿が世界の中心に躍り出ることは、西側では誰も喜ばないのです。

本来の講演のテーマとは大きく離れながらも、逆の意味で考えさせられることが多かった。

でもまぁ、基本的に依頼者から与えられたテーマを無視して、たかだか30分程度の話もできないなんていうのはいかがなもんかと思います。