沢木耕太郎著・新潮文庫
「バーボン・ストリート」「チェーン・スモーキング」に続くエッセイ第3弾。全部長音(ー)が入っているので今回も「ポーカー・フェイス」ではなく「ポーカーフェース」になったんだそう。
「沢木耕太郎」という生き方に昔から憧れています。でもおそらくは"ないものねだり"なんだと思う。組織に属さず、興味のあることに出逢うと一直線に進む。ふらりと海外に出かけてしまう身軽さ。普通の人が見落としがちな事でも深い思索をする。毎朝満員電車に揺られ、食べる為と割り切りつつ、辛いことの多い仕事を30年近く続けている私とは対極の存在です。基本的な性格でも、どちらかというとフリーランスみたいな不安定な生活は絶対できない私が、沢木さんに惹かれるのは正にないものねだりなんでしょう。昔学生の頃「深夜特急」を読んでた時、ここにしかいられない自分がふがいなく、嗚咽するほど悔し涙を流したことがあります。
そんな沢木さんの12編のエッセイ。やはり相変わらず軽やかで思いやりのある沢木さんの人となりが現れており、硬派なノンフィクションもよいけどこういう肩の力を抜いたエッセイもなかなか良いです。
blog毎日更新を続けて11年半。私の目指すところのひとつは沢木耕太郎のエッセイです。少しでも近づいていればよいのですが…。
- 作者: 沢木耕太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2014/04/28
- メディア: 文庫
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