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「人生は五十一から」

人生は五十一から (文春文庫)
小林信彦著・文春文庫
 2年前51歳の誕生日、facebookで友人から「おめでとうメッセージ」と一緒にこの本の画像が一緒に投稿されてまして、いつか読もうと思っていた作品。週刊文春連載されたエッセイで、1998年1月から12月までの1年間をまとめたもの。今からちょうど20年前、長野五輪があり、黒澤明が亡くなった年…。
 98年リアルタイムの話題だけでなく昔話もたくさんあり、読んでいて飽きません。特に映画や芸能、落語に関する造詣の深さは他の追随を許しません。「みっともない語辞典」後半「現代恥語ノート」として書かれるおかしな日本語についてがいちいち面白い。
<生きざま>の”ざま”は<ざまぁ見ろ>のざま。<ざまねえな>のざまですから、<死にざま>という言葉はありだけど<生きざま>というのは失礼な言葉というのは私もそう思ってました。
その他、<自分探し>…自分は何者かと考えるのは人生全てをかけてやることで改めて言葉にすべきことではない。<なにげに>何気なくでしょ…?極め付きは<ら抜き言葉>。どうやら西の方言が元らしく関西芸人がTV、ラジオにで始まったころから関東でも特に使われるようになったよう。"れる""られる"をしっかり言うと"ちゃんとしている"と思われますので、正式な場面ではちゃんと言うとよいと思います。

 黒澤明の逝去のあったこの年、このエッセイの中でも何度か語られています。「姿三四郎」のフィルムがオリジナル版は97分あったけど、?スタッフの知らないところ?でフィルムを勝手にカットし79分になった(その後旧ソ連で欠損部分が見つかり91分になった)がオリジナル版はいまだ行方不明の話、「白痴」の"これ以上カットするならフィルムを縦に切れ"といった話など黒澤ファンには有名な逸話でも週刊誌のエッセイで一般の人にしってもらうのはよい機会です。「踊る大捜査線THEMOVIE」が黒澤映画のオマージュであふれているというのは実は知りませんでした。今度観てみようっと。


 戦後すぐくらいは人生50年といわれていました。昭和22年で女性53.96歳、男性50.06歳。これは戦後2年目だから極端に男性が若い。戦後5年経った昭和25年で男性58歳、女性61.5歳。最新の2016(平成28年)男性80.98歳、女性87.14歳だそうで、昭和22年と比較して、男性は+30.8歳、女性は+33.18歳も伸びています。単純に考えると、今の50歳なんてせいぜい30代後半です。そりゃー考え方も生活態度も昔の人に比べたら若いはずです。といいつつも、著者のように含蓄のあるお話しが出来たり、いろんな知識があるのもそれまでの人生をどう歩んでいたかが重要。これから自分も若い人たちに興味を持ってもらえる話ができるよう、更にいろいろな知識を身に付けられるとよいなぁ。 

人生は五十一から (文春文庫)

人生は五十一から (文春文庫)