「ドナルド・リチーさん死去 黒沢・小津らを海外に紹介」
黒沢明、小津安二郎、溝口健二ら日本映画の質の高さを海外に紹介した米国出身の映画評論家ドナルド・リチーさんが、19日午後1時26分、東京都内の病院で死去した。88歳だった。■米オハイオ州生まれ。1946年に来日し、米軍機関紙スターズ・アンド・ストライプスの記者に。コロンビア大進学のため帰国し、54年に再来日。英字紙ジャパンタイムズなどで映画評を執筆した。59年、外国語による最初の体系的日本映画論「ザ・ジャパニーズ・フィルム」(共著)を発表。カンヌ国際映画祭の溝口特集に企画協力するなど、欧米での日本映画への関心を高めることに貢献した。■68〜73年には米ニューヨーク近代美術館の映画部長を務め、日本映画の大規模上映を実現した。主な著書に「映画のどこをどう読むか」「黒沢明の映画」「小津安二郎の美学」など。83年、第1回川喜多賞。実験映画作家の顔も持ち、舞踏の土方巽、作曲家の武満徹らの協力で前衛的な作品を制作した。(朝日新聞デジタル 2月19日(火)20時2分配信)
この人がいなければ、小津、黒澤、溝口らが、今日のように"世界の名監督"と呼ばれることはなかったに違いない。「黒澤明の映画」(現代教養文庫/絶版)は、黒澤全作を詳細に解説している名著。まさに黒澤ファンにとってバイブル。日本映画を愛した外国人第1号と言っても過言ではない。最近の日本映画について感想が知りたかったなぁ。
ご冥福をお祈りいたします。
- 作者: ドナルドリチー,Donald Richie,三木宮彦
- 出版社/メーカー: 社会思想社
- 発売日: 1993/04
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