07年にNHKで「ハゲタカ I」「ハゲタカII」がドラマ化、続編「レッドゾーン」は09年に映画化。18年年テレビ朝日で再ドラマ化。そしてこの「ハゲタカ4.5 スパイラル」は昨年テレビ東京でドラマ化されました。
”4.5”とは、4と5の間ということ。4巻「レッドゾーン」と5巻「グリード」の間にある話。
今回はターンアラウンドマネージャー(企業再生家)芝野健夫のスピンオフ。しかしながら表には出てこないけど鷲津政彦も重要なところで実は絡んでくる。
曙電機の企業再生が一段落した芝野の元に、かつて銀行員時代に世話になった町工場「マジテック」社長の訃報を聞く。社長は天才的な発明家であり、社長の人望で何とか持ってきた会社だった。その社長がいなくなり、マジテックは存亡の危機を迎える。このまま会社を畳むのは忍びないと思った芝野は専務としてマジテックに入り立て直しを図る。
これまでは大きな会社のディールでしたが、今回は町工場。企業側も腐った経営者でしたが、今回は鷲津の古巣のファンド、ホライズンと組んだ信用組合が敵。芝野はどうやってマジテックを助けるか。
NHKドラマ版が名作で、鷲津=大森南朋、芝野=柴田恭兵。今回のテレ東版の芝野は玉木宏で、鷲津は出てこない。基本ストーリーはなぞっているものの原作に軍配です。
鷲津がもともとジャズピアニストという設定も原作にしかなく、しかもそれが重要なキーとなっています。
ハゲタカシリーズは、最初から是非読んで欲しい名作です。最新作「シンドローム」はやく文庫化しないかな。