父親が1年前にニューヨーク転勤し、それを追いかけて母親が渡米する。高校卒業を目前に一人残された娘、優は、高校3年間をダンスに捧げた女の子。卒業後もダンスを続けたいと思っていた優は、一人暮らしを始めるが、当面の生活費にすら事欠く状態で、日銭の稼げる映画エキストラバイトの面接を受けることに。ところが同じビルで男性アイドル事務所の入所テストをやっており、その受験者と間違われた優は、結局テストを受けることになってしまい、しかも合格までしてしまう。
女性だということがなかなか言い出せないまま事務所の寮での生活が始まる。大きなレッスンルームで、無料どころかお給料までもらいダンスを習えて優としては理想の環境。同室4人とチームを組んで練習に励む優。そんな中、事務所内のジュニアたちの中から次期デビューチームのオーディションが開催されることになる。優たちのチームはデビューできるのか?そして優が女性であることはばれてしまうのか!
五十嵐貴久さんの青春小説はどれも爽やか。懸命に生きる若い人たちの姿は青春時代など大昔に過ぎ去ってしまった私でも胸が熱くなります。
ダンスは全くの門外漢なので描写についてはよくわかりませんが、リズムに合わせてチームが一丸となって踊る姿は目に浮かびます。
一生懸命に生きる姿は、世代を超えて美しい。