タイトルに惹かれ衝動買い。もっとも、「封印作品の謎」他、あえてタブーに挑む安藤さんのお仕事、おもしろくないはずはなく、1年という取材期間、艱難辛苦の末に産み落とされた作品もあっという間に読み終えてしまいました。
パチンコを習慣としてやらなくなって10年くらいたつ(年に1−2回は様子見や付き合いで行くことはあるけど)。
一発台(あるところに玉が入るだけで、打ち止めできる)や羽もの(あるところに球を入れるとまん中にある羽が一瞬開き、そこに入った球が更にまん中に入ると羽がパクパク開く)が消えたのはいつ頃だろう。7がそろうといっても昔はちゃんとリール見たいのがぐるぐるまわっていた。いつ頃からかそれが液晶画面に置き換わり、リーチ(3つのうち2つの数字がそろう事)の最中に画面でドラマが繰り広げられる。あたると主題歌が流れて、ひと箱(だいたい4000円分くらい?)いっぱいに玉が出る。確率変動になれば更にそれがいくつも重なる。
最近は、殆どすべての台がエヴァをはじめとするアニメ関係、特撮関係のものばかり。TVCMもバンバンやってる。なんか変だなと思ってた。70年代や80年代に誰もが見ていたようなアニメならわかるけど、「アクエリオン」「BLOOD+」「ファフナー」とかは普通の人は知らんだろー的なものまでパチンコになってる。「アクエリオン」の主題歌ってよく考えたらパチンコのCMで覚えたわ…。
パチンコメーカーとかパチンコ屋さんにアニメ好きが増えたか?それともアニオタをパチンコ屋に誘引する手段か。私も最初は短絡的にそう思った。でも実は違ったのですね。綿密な取材で、パチンコ業界とアニメ業界の接近がよくわかります。しかもこの取材、コンテンツを提供するアニメ業界側もそれを利用するパチンコ業界も判で押したように取材拒否の嵐。これは大変な労作です。
ルポルタージュとしては、ここまででOKでしょう。惜しむらくは、今後のパチンコ業界とアニメ業界はどうあるべきなのか、安藤さん自身の視点があるとよかったかも…。
いやいや、それは、各読者が考えること。
160円の印税分、献納させていただきます。
- 作者: 安藤健二
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2011/01/08
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