私の住む新百合ヶ丘では、毎年今の時期に「KAWASAKIしんゆり映画祭」なるイベントをやっていて、今年で17回目になります。
今日はカミさんと上映作品の1本を川崎アートセンターに観に行ってきました。今年3月公開された「わたしを離さないで(原題:Never Let Me Go)」というやつ。
森の中の寄宿学校にいるキャシー、トミー、ルースの3人。この寄宿舎は外の世界からは完全に遮断されていて、子供たちは生まれてから18歳になるまで一歩も外に出られない。外に出ると危険だと教え込まれている為、疑問にも思わない。そこに一人の教師が赴任してくる。先生は突然生徒たちに「あなた方は、臓器提供をする為に生まれたクローン人間なのです」と暴露してしまう。誰かに臓器を提供する為に生を受けた事に対して、その運命を従容と受け入れる子供たち。その中で、「本当に愛し合った2人は、それを申請することで、提供を猶予される」という噂が語られる。大人になったキャシーとトミーは、お互いの気持ちを確認、その噂を信じて申請に向かうが…。
シチュエーションはSFですけど、特撮、CGは一切ありません。単に臓器提供をする為だけに生まれた人間に魂は宿るのか。寄宿舎ではその検証の為に、詩や絵画の創作を推奨していたりする。
「ある日どこかで」とか、この手の「特撮を使わない」SF結構好きです。救われない話なんで、観終わった後どよーんとしてしまいますけど、逆に、生について普段考えることなどあんましない生活を送っていたり、自分の場合どちらかというと、生に対する執着もなかったりするので、改めて生きる事の意味を考える良い機会でもありました。
カミさんからあらすじを聞いて一緒に行くことにしたんですけど、カミさん曰く、
「あなたが好きそうな、クローン人間が反乱起こして、組織を壊滅させたりする話じゃないよ」とかいっていましたが、いまだに私の嗜好が分からないわけではあるまい。全然ストライクゾーンの映画です。スカッと爽快なのもよいですが、こういうのも結構好き。
万人にお勧めというわけではありませんが、めまぐるしいハリウッド映画に疲れた方には良いと思います。
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