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「ワイルド7」 を観る。

hee2012-01-08

監督:羽住英一郎
脚本:深沢正樹
音楽:川井憲次
キャスト:瑛太(飛葉)/椎名桔平(セカイ)/宇梶剛士(オヤブン)/中井貴一(草波)/深田恭子(ユキ) 他


 来週で終了なんで慌ててレイトショーに駆け込む。「ワイルド7」は観ておかないとね。
 私は、漫画よりもTV版の洗礼を受けました。望月三起也の絵ってクセがあってバイクと銃はリアルすぎるほどリアルなんだけど、人物画がどうしてもなじめませんでした。だから原作は数巻読んだ程度。
 で、今回の「ワイルド7瑛太が飛葉をどう演じるかがまず鍵でしたが、繊細さと激しさを備えたキャラクターを見事に演じていました。椎名桔平のセカイは原作とは異なる設定でしたので何とも言えませんが、ストーリーの中で重要な役どころをベテランの演技で上手く締めていました。宇梶剛士のオヤブンは、実質ワイルド7のリーダー的役割でしたね。本来であれば、飛葉がチームを率いる役割ですが、そういったチームワーク的なものはあまり重要視した演出ではなかったように感じました。中井貴一の草波、深田恭子のユキもキャラ的にはOK。
 さて、問題は他の4人のメンバーのキャラが全く立っていなかったこと。パイロウは原作の"両国"、爆弾のエキスパート、SOXは原作の"八百"か、ヘボピーは原作名と同じだけど、設定はオリジナル、BBQに至っては、完全オリジナルキャラ。これら4人がこれといった見せ場もなく、単に銃撃要員になっている。
 確かにバイクアクションは素晴らしかった。銃撃戦もハリウッド並に派手でした。超法規的警察組織「ワイルド7」と言われれば確かにそうだけど、何か物足りなさを感じてしまうのはなんでだろう?
 超法規的グループなんで、一般の警察官に絡まないというのもそうなんだけど、やっぱ、飛葉が巡査クラスに襟首掴まれて「そのお前が掴んでる襟に着いてる階級章を見てみろ」というシーンは有って欲しかった。それと、ワイルド7を表わすバッファローマークもないのは、リアルさを追求したら無しにする方がよいのでしょうが、ほんとはあのマークがついたバイクが疾駆するのを観たかったよな。
 ワイルド7チームの乗るバイクを運ぶトレーラー(セブンレーラー)も、TV版では、宣伝車の如くどてっぱらにでっかく「ワイルド7」のロゴがありましたが、これはさすがになくてもOK。カラーリングは護送車みたいで、トレーラーのヘッドに桜の代紋があるんで、警察車両だとよく見りゃ判るってのはよい改変でした。
 7人ものといえば黒澤明監督の「七人の侍」がまず思い浮かぶ。こちらは3時間27分に及ぶ超大作、一方「ワイルド7」は109分。圧倒的に尺が足りないのは仕方ないのだけれど、もう少し丁寧にキャラクターを描かないと、感情移入がしにくいし、ラスト7人で死地に向かうシークエンスでも、なんでここまでまとまりのないメンバーがお互い助け合って絶妙のチームワークを見せるのかが判らない。演出意図として悪人の寄せ集めが友情だとかを口にするのはおかしい、眼で語らせたいとあったけど、バックボーンがしっかりと表現されていなければ単なる目配せでしかない。語らなくても判る演出というのは難しいもんですね。でもできると思うんだけどなぁ。比較しては酷だけど「七人の侍」だって、お互いに自分の事を話すシーンなんて殆どなかったけど、そのほかのシーンで彼ら一人々々の戦いに賭ける気持ちが伝わってきたし、細かなエピソードが、七人お互いの距離感が分かる物だった。
 奥行きのないドンパチはただ煩いだけで、観ていてもなんだかカタルシスを覚えない。絵としてはとてもよかったんですが、全体的にうーんって感じです。パート2に期待です。でも、いくら最終週のレイトショウとはいえ、250席位あるのに、20人弱では、パート2作れないですかね。。大ヒット上映中のCMが虚しい…。