公開:2011年5月28日
監督:鈴木雅之
脚本:相沢友子
音楽:佐橋俊彦
今週末出張で、月内に代休を取る為、先代休を取る。
最近TSUTAYAでいっぱいDVD借りてるけど全然見れてないので、ちょっと消化しようと思ったけど、まともに全編見たのはこれと他1本(にっかつRPなのでタイトルは伏せます)。
さて、「プリンセストヨトミ」。万城目学作品では、「鴨川ホルモー」(映画)、「鹿男あをによし」(TV連続ドラマ)に続き、3作目の映像化。今回は、08年に「鹿男―」を演出した鈴木雅之監督なのでちょっと期待してました。
とはいえ下馬評は決して高いものではなく、むしろ、低い。ちょっと不安を覚えつつ観ましたが、なんの、結構面白かったです。確かに、万城目ワールドを理解しているとか、原作との相違に対しても寛容であるとかいうハードルは確かにあります。元々原作が面白かったので、そのままやればよいのでしょうが、映像化には諸事情があるもんです。そんな中、会計検査院の3人(堤真一、岡田将生、綾瀬はるか)やお好み焼き屋「太閤」主人中井貴一はよかった。原作では男性の鳥居が、女性(綾瀬はるか)に変更になったのも決して嫌じゃないし、むしろ原作通りの小太り童顔の中年男が全停止した大阪を駆け回るなんてみたくない。
玉木(鹿男)宏が、たこ焼屋の兄ちゃん役で出ていましたが、もったいない使い方。この映画を観に行く人って、恐らく「鹿男―」を観ている人は多いと思うんですよね。であれば、どうせ客演に近い扱いならば、「鹿男―」の小川先生役がよかったし、もっといえば、せっかく大阪が舞台なんだから、大阪女学館の南場先生とか、ついでに京都女学館の長岡先生、さらについでに「鴨川ホルモー」の世界も混ぜて安倍とか楠木とかも出しちゃえばよかったのに。。(そこまですると遊び過ぎか…)。
私的な問題としては、私、大阪、全く判らないんです。行ったことないし。だから、あんまり親近感のある話題ではなかったってこと。生まれも育ちも関東な私にとって、正直大阪が独立しても「あ、そう」という感じです。奈良は、大学時代に合宿に行ったり、現地で和歌を詠まされたりしたんで、結構思い入れもあり好きなんですけど…。京都も修学旅行や家族旅行で行ってたり、全く記憶ないけど、2歳の時、父親が事故で入院し1年の半分くらい京都にいたらしいので、なんとなく好きなんだけど…。
大阪の男性は、自分の父親の死期が近づいた時に、1時間かけて2人で秘密の地下道を通りながら大阪国について教えてもらう。次にこの地下道を通るのは自分が自分の息子にそれを伝えるときだけ。「父親と1時間でもちゃんと話をした事があるか」と中井貴一が問うた時、どきっとしました。確かにしていません。大阪国民男子に与えられたこの1時間は、とてもすてきな1時間だと思う。
どうだろう、多少の予備知識を持って、おおらかな気持ちで見る分には充分面白い映画です。特に大阪人にはお勧めかも。
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