「３年Ｂ組金八先生」2ndseason 再放送中。

　本放送は昭和55（1980）年だから、今から32年も前。えっと、前年の第1シリーズは同級生だったこともあり、翌年のこの第2シリーズは高校生になってましたけど、楽しく観ていました。
　あの頃は校内暴力の嵐が吹き荒れていた時期。なんだったんだあれ？学校で暴れたり、ガラス割ったり、そりゃもうすごかったね。幸い自分の中学・高校はそういうのなかったけど。
　そんな時代を反映してこの第2シリーズは、「腐ったミカンの方程式」「卒業式前の暴力」の２篇（両方とも前後篇）は、校内暴力を扱った話で、名作の呼び声高い。今週から再放送が始まって、１日に２−３話づつというすごい放送の仕方で、昨日は２日目にして「腐ったミカンの方程式・前編」と今日その後篇が放映。いや、熱い熱いww。

　隣の荒谷二中から転校してきた加藤優（直江喜一）は札付きのワル。転校初日、自分の席に向かおうとしたとこと、３Ｂのツッパリ生徒（死語だ…）・松浦悟（今は亡き沖田浩之(>_<)）が机から脚を出し、わざと引っ掛け転ばせる。キレた加藤はいきなり松浦に殴り掛かり、教室は騒然。椅子を持ち上げ更に騒ぎはエスカレート。この本気の暴れっぷりに武田鉄矢もあ然。
　その後、加藤は、付きあいのある暴走族のたまり場「スナックＺ」に、金八を呼び出す。ここまでが前編。
　スナックＺでは、上林先生（川津祐介）から仲裁を依頼された元暴走族の岸森（古尾谷雅人・彼も故人だ(>_<)。）神津（田浦智之・日活ＲＰによく出てました）そして加藤の三人がいて、金八に土下座して謝れという。金八は「自分はいきなり暴れた加藤を止めただけで謝るつもりはない」と啖呵を切る。一触即発のところを、金八先生いきなり焼きそばを作りだす。「腹が減ると人間短気になる。喧嘩は腹が減ってる時に起こる」とわけのわからない理由で。
　その効果か、焼きそばを食べながらの話は穏やかに進み、加藤を金八に託してくれると岸森に委任される。
　うまく行ったと思った翌日、野村教頭（早崎文司）が「教育の限界を超えた場合、本校では加藤優についての責任は負いかねる」と君塚校長（赤木春恵）に無断で教育委員会に通告していた。

金八先生は、教頭に詰め寄る。「しかし教育の限界とは、一体どんな境界線で、何色で引かれ、高さはどの位あるんですか、教えてください」と。「問題が起こったら、教育委員会や警察に頼る？ そんなことで教師としてよく給料もらってますね・・・。箱の中に腐ったミカンがひとつあると、他のミカンも全部腐ってしまう。だから、腐ったミカンを見つけたら、すぐに箱から捨てなければならない。これは米倉先生が言っていた荒谷二中のやり方です」
「教育の限界を越えていると判断した時、それも仕方ない」と、教頭がいう。
「どうしてですか、腐ったミカンを放り出す、それがプロの教師のやることですか？そりゃあ、人間辛い目に合って、あちこちぶつけりゃ誰だってどっか腐ってきますよ。あの加藤だって、父親がサラ金に手を出して蒸発さえしなけりゃ・・・」
思わず涙がこぼれる金八。
「我々は機械やミカンを作ってるんじゃないんです、人間を作っているんです。そして、人間の性根が腐りきってしまうことなんか、絶対に有り得ないんです、それを防ぐのが我々教師じゃないんですか。そして、もしも、もしも・・・それが出来ないのであれば、我々は教師を辞めるべきなんです・・・正直言って私も自信がありません。しかし、他の３年の先生方も協力してくれると言ってくれてますし・・・何よりも、今の加藤を見殺しにするような真似は絶対したくないんです。お願いです、 最後までボクにやらせて下さい(T_T)！」

　この話が、すごかったせいで第１、２話の「思春期心身症」の話（「心を病む子供達」）が完全にすっ飛んでしまいました。「超人バロム１」や「なぞの転校生」などの優等生役・高野浩之くんが、高校に入って心身症になるっていうのも、その関連を勝手に考えると面白かった。これはこれで良かったけど、話的に地味だったかも…。

　金八先生の暑苦しさ、説教臭さが嫌いな人もいると思います。現役教師には不評だったというのも聞いたことがあります。最近は、バラエティのパロディで良く使われて茶化されてますけど、それでも、生徒に対してあそこまで真剣に向き合えるというのは、ドラマとはいえ胸を打たれる。
　今、普通のサラリーマンですが、上司の顔色をうかがったりしないで、信念に基づいて仕事に対して真剣に打ち込む姿勢は、間違いなく金八先生から教えてもらったことです。

　３２年経っても色褪せないドラマです。
　ＤＶＤ欲しいなぁ。でも絶対買えない８５枚組コンプリートＢＯＸ。。定価２２万強、Amazonで１６万ちょい。金額もさることながら、置き場所が無い…。

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