日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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「イントゥルーダー」高嶋哲夫 を読む。

 99年、著者の長編第2作目。
大手コンピュータ会社副社長、羽嶋は、かつての同棲相手だった女性から「貴方の息子が事故にあい、瀕死の重症」と告げられる。病院に駆けつけた羽嶋が見たのは、集中治療室のベッドに横たわる初めてみる息子の姿。
 20年以上前なにも告げずに去っていった女性は懐妊していた。自殺同然に車道に飛び出し事故にあったらしい。しかも息子の血液から覚醒剤反応が。しかし、その事故に不審な点があると羽嶋は単身調査を開始する。そこには、新潟に建設中の原子力発電所にまつわる秘密があった。
 
 企業の論理を振りかざし、安全よりも効率を優先させる経営者。敵味方入り乱れて、息子の事故の原因となった極秘資料の行方を追いかける。まるで、昨年の原発事故を予見したような、原発問題をテーマにしていて最後まで一気に読めます。原子力発電所が、やっぱ危険な存在だと3・11の事故で骨身に染みた今、この小説の持ってる意味は書かれた99年とは全く違うものになっています。
 
 日本って言うまでもなく地震大国なわけで、そこに原子力発電所を作るのは細心の注意が必要です。原子力発電所の破壊は単なる建物被害では収まらずまありに与える影響が平面的なだけでなく、時間的にも大きな爪痕を残す。100%安全な状態という事が保証できない限り、原発は作ってはいけないというのが私の想いです。神の火とも言われる原子力。人間はそれを制御できる日がいつかは来ると思います。それまでは、商用利用はせず、研究を続ければいーんじゃない?

表題の「イントゥルーダー」は、侵入者の意味。何故このタイトルかは、是非お読みください。お勧め。
 

イントゥルーダー (文春文庫)

イントゥルーダー (文春文庫)