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「サイボーグ009完結編 conclusion GOD'S WAR」 を読む。

 サイボーグ009との出逢いは、何しろ幼稚園の頃からだから、40年以上になるはずです。白黒のTV版の本放送か、再放送か。床屋さんに行くとコミックスがあって読んでました。
1979年版が始まる数年前小学校6年生くらいから、サンデーコミックス版を収集し始め、第10巻の「天使編」に衝撃を受けました。

 天使編は、009と007が休暇でスキーをしているところへ有翼の人間が現れるところから始まる。「君たちの言う”神”がどんなものかは知らないが、”造物主”という意味でならそうだ」と、こともなげに言う。そして続けて、人間を収穫にきてみたら上手く育っていない失敗作だから滅ぼすという。
 神と戦って勝てるのか、悩むサイボーグ達。結論は、神といっても他の惑星からきた異星人じゃないか、断固として闘うと。そして、001が「神と戦う新しい能力を授けよう」というところで中断。未完となりました。
 その後、伝説の漫画雑誌「COM」で、天使編の続編ではなく新たな物語として「神々との戦い編」を連載しますが、天使編以上に実験的な作品で、難解。結局この話も中断されました。

 以降、神との戦いの話はファンに望まれながらも、発表されるのはインサイドストーリー、番外編ばかり。009の新作ストーリーは、発表される度に勿論読んでいましたが、いっかな発表されない天使編の続きに対する期待は正直薄れていたのも事実です。「サイボーグ009」は、地下帝国ヨミ編で009と002が流れ星となって消えていく。ここで本編は終了、あとは天使編すらもインサイドストーリーという想いでいました。

 しかし石ノ森章太郎は、この2つの神との物語をなんとか完結させようと病床でも考えていました。 石ノ森は、009完結篇をまず小説で発表、その後漫画化→アニメ化を考えていたらしい。たくさんの構想ノートを残したものの自分の手で完結編を書きあげることなく98年に逝去。還暦を迎えた3日後だったと言います。


 「サイボーグ009完結編 conclusion GOD'S WAR」は、小説として息子さんの小野寺丈さんの手によって、2006年に第1巻が単行本で刊行され、後が続くと思いきやこれまた中断。これは完結編はやっぱり読めないのか…と思っていたところ、今年に入り新作映画の公開に合わせ完結編が文庫化されるという情報が入ってきました。最初は依然発売されたものの文庫化だけかと思っていてら続きも発刊されるという。
 
 発刊されたばかりですし、009好きの人もいると思うのであえて細かい部分には触れませんが、特に第3巻はまさに天使編/神々との戦い編の続きです。全能の神に挑むサイボーグ戦士たち。伝説とは、遺跡とは、神とは、善とは何か、悪とは何か。そういった様々な疑問に石ノ森章太郎の得た答えがちりばめられています。読了して思うのは平井和正との共著「幻魔大戦」の完結編をも包含する内容のような気がしました。

 原作者の死後、息子の手によって書き継がれたものがたりでは有りますが、まさにこれは石ノ森章太郎自身が描きたかった物語そのものだという思いで最後の頁を繰りました。石ノ森本人の手で描かれたものが読みたかったけど、その思いは、石ノ森本人が「自分の手で描きたかった」に違い有りません。しかしながら、息子によって小説化され、弟子によって漫画化されるというのは、本人にとっても決して嫌なものではないんじゃないかなぁと思います。

 最終の数頁を、帰りの電車で読んでいたんですが、涙が出てきました。
 40年の想い、見事に完結です。
 これから漫画版が刊行され(現在1巻のみ)、ゆくゆくはアニメ化されるかも知れません。
 それもまた楽しみです。

 まずは、天才と呼ばれた漫画家を父に持ち、完結編を託され、見事にその難題をやり遂げた小野寺丈さんに最大の賛辞とエールをお送りしたいと思います。
 
 中身の感想は、もう少し時間が経ってからしたいと思います。

 009ファンの方、必読です。
 
 

こちらは漫画版↓

サイボーグ009完結編 conclusion GOD’S WAR 1 (少年サンデーコミックススペシャル)

サイボーグ009完結編 conclusion GOD’S WAR 1 (少年サンデーコミックススペシャル)