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「サイボーグ009完結編 conclusion GOD’S WAR 4 」

サイボーグ009完結編 conclusion GOD’S WAR 4 (少年サンデーコミックススペシャル)
 
 完結編もついに4巻。00ナンバーサイボーグたちの個別の神々との邂逅の物語が終わり、ついに9人が集結、最後の戦いに突き進んでいく。
 小説では既に完結編が発表されていますが、「天使編」の最後、イワン(001)が「君たちに新しい力を与える」と言って35年。やっとその続きが漫画になったというのは感慨深い。
 
 9人のサイボーグがギルモアの元に集まり、神々との戦いに向け調査を開始したその時、東日本大震災に次ぎ、東京を大震災、そして津波が襲う。それと同時に、神々の眷族が大挙して押し寄せ、00ナンバーサイボーグたちはまさに赤子の手をひねるように次々とやられていく。瀕死の重傷を負ったサイボーグたちは、人間らしく生きたいというサイボーグたちの想いと裏腹に、ギルモア博士の手によって更に改造を進められる。ギルモアにとって最高の技術を彼らに施すことは"親心"なのだが…。新しい身体となっても、神々に対抗することはできないと、イワンは判っていた。そこでイワンは仲間に新しい力を付けることに。
 
 「天使編」は衝撃的でした。
 009と007が雪山でスキーをしているとそこに羽根をもった天使が現われ「神か」と問うと、「君たちにとって神とはどういうものか知らないが"造物主"という意味ならなそうだ」と答える。しかし次にこう言う「人間を"収穫"しにきたが、そのできの悪さに"はじめからやりなおす"事にした」と言う。神々と戦うことを決意する009たち。そしてイワンが新しい力を付けるといったところで中断。おいおいって感じでした。
 その数年後発表された「神々との戦い編」は、「天使編」を仕切り直しした作品でしたが、実験漫画「石森章太郎のファンタジーワールド・ジュン」の散文的、思索的表現の影響があり、活劇要素が極端に減りしかも難解な作品であり、読者の評価を得ることができずこれも中断。009ファン、作者にとっても熱望しながら簡単に手を付けられない続編になってしまった。
 その後009は本編よりも長いインサイドストーリーを次々に発表されていきます。サイボーグたちの日常や小さな戦いは、それはそれで楽しめましたが、どうしても心に引っかかっているのは「天使編」の続編です。

 と言っている間に、石ノ森章太郎は1988年に他界。石ノ森自身も天使編の続きだけはどうしても描きたい作品でした。病床で構想をまとめる石ノ森でしたが、命は間に合いませんでした。その後、息子丈氏によって構想ノートを元に「Conclusion God's War」として2005年小説化されるも、1巻で中断。2012年文庫化と同時に続刊2巻が刊行されようやく完結となりました。
 小説で発表、後に漫画でというのは、小説家にもなりたかった石ノ森章太郎が009完結編発表の方法として自ら構想したものでした。志半ばで逝去され、その遺志を息子と弟子が継ぐ形で現在発表されています。
 作画は石ノ森章太郎のアシスタントをしていたシュガー佐藤と早瀬マサトそして石森プロが行なっています。石ノ森のアシスタントだった方ですからタッチはほぼ完ぺきに再現されています。ただどちらかというと天使編の頃よりも前のかなり初期のタッチなのが気になりますが…。


 conclusion GOD’S WAR も後1巻で完結だそう。次は章太郎氏構想通りアニメ化でお願いします。キャラクターは平成アニメ版の紺野直幸さんで。