中川 右介著・集英社文庫
タイトルは手塚治虫とトキワ荘について書かれたもののように思われますが、戦後漫画史を俯瞰したノンフィクションで読み応えありました。
時代的には1945年から1961年まで。続編にあたるのが先月読んだ「アニメ大国 建国紀 1963-1973 テレビアニメを築いた先駆者たち」になります。
不世出の漫画家、手塚治虫によって開かれた戦後の漫画は、日本全国の”手塚チルドレン”を生み出した。
私は、”手塚チルドレン”ドンピシャ世代で、親戚のうちに行くといとこのお兄さんが買っていたサンデー、マガジンを読み、自分で買えるようになってチャンピオンやジャンプを読むようになった。
とはいえ、あの頃ってそんなにお小遣いを貰えたわけじゃないから、毎号買えていたわけでもありませんが。
小学館の学習雑誌(小学1年生~6年生)もたまに買ってもらえて、藤子不二雄はその頃から好きでした。「ドラえもん」の第1話とかは雑誌で読みましたね。
ちょうど新書版コミックスが沢山で始めた頃で、雑誌を買うよりも新刊のコミックスが出るのをよく買っていました。
秋田書店の「サンデーコミックス」は、床屋さんでよく読みました。自分で初めて買ったコミックスは「天才バカボン」。恐らく今も持っています。中学に入った頃からお小遣いも増えてサンデーコミックス版「サイボーグ009」揃えました(まだ12巻までしか出ていなくて、その後「海底ピラミッド編」が3巻出て全15巻で終了)。009はその後79年のTVアニメ化の時に少年サンデーで連載し12巻出ました。
「ドラえもん」も何冊か持ってましたね。
はじめて漫画を読んで50年以上。さすがに最近はあまり買っていませんけど、それでも気になる漫画は買ってます。
ストーリー漫画の始祖は手塚治虫ですけど、一番ハマったのは石森章太郎。今でもかなり好きです。
ただ石森章太郎も、赤塚不二夫も藤子不二雄も手塚治虫がいなければ漫画家になっていなかったかもしれない。そして、若い漫画家の梁山泊となったトキワ荘がなければ、今ほどの漫画隆盛の時代が来たかは疑わしい。
このノンフィクションでは、手塚以前の漫画から手塚治虫の絶頂期、そしてそこに集まる若手漫画家と出版社、漫画雑誌の黎明期について、暦年で追いかけており、間髪の参考文献を見るだけでも労作ということがよく分かります。
トキワ荘の住人たちはそのほとんどが鬼籍に入っています。
今頃天国で若い頃を振り返りながらみんなで楽しくやっているといいなと思います。
先日一緒に飲んだSさんは、石ノ森章太郎の生家の石ノ森章太郎ふるさと記念館や石巻の石ノ森萬画館にも複数回訪問しているとのこと。私、まだ行ったことないんですよね。
あ、トキワ荘漫画ミュージアム行ったことないなー。暖かくなって気持ちが回復してきたら、今度こそ行ってみよう。