日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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「後藤田正晴と十二人の総理たち―もう鳴らない“ゴット・フォン”」 を読む。

佐々淳行著・文春文庫
佐々さんは、東大法学部から警察庁に進んだキャリア。キャリア組というと一般的に事務次官を目指して出世競争にのみ腐心する印象が強いけど、佐々さんの生き方はこれと間逆。進んで現場に行き、上司であろうとなんだろうといけない事はいけないと意見具申をする。それを煙たがる人からは"飛ばされ"、意気に感じた人は重用するようになる。
佐々さんの人生は山あり谷あり。だから佐々さんの著作は、多少誇張があるだろうことは差し引いても面白く、文春文庫で出ているものは有名な安田講堂攻防戦警備について書かれた『東大落城』、映画化もされた『連合赤軍あさま山荘」事件』をはじめ、恐らく全て読んでたりします。。


 「後藤田正晴と十二人の総理たち」は、引退後も上司と部下の関係が続く後藤田正晴さんのお別れ会の席で、歴代の首相達が献花する場面から、その時代に起きた事件、事故の裏側で佐々さんが後藤田さんの電話"ごット・フォン"を通じ、どのように動いていたかをまとめた本。
 

 政治ってニュースや新聞で触れる程度で、政治家や官僚がどんな思いで仕事をし、国内外でどのような交渉をしているのかはなかなか触れる機会がない。退官後でもあらゆる場面で政治家に進言しつづける佐々さんのような人は稀なのかなぁ。どうしても官僚は、同期が事務次官になったら、現役世代にもかかわらず退官し、後は天下り先で悠々自適な生活をするという印象が強い。しかし、佐々さんは天下りを断り、個人事務所を立ち上げ、著作、講演でこれまで自分の経験した様々な事柄を伝える仕事をしており、時にこれまでの繋がりを生かして、現政権にも影響を与える情報収集、意見具申をしている。


 官僚がこういう人ばかりなら、もっといい国になるのになぁ。


 これに限らず佐々さんの著作、お勧めです。
 現在体調が思わしくないと聞きます。いつまでもお元気で、日本がよい国になるべく、力を貸してほしいですね。