2012年8月公開・吉田大八監督。
内容は地味な映画ですが、第36回日本アカデミー賞はじめ映画賞総なめの作品。作品賞以外ですと、監督賞と新人賞、女優賞で橋本愛が多く受賞しています。
バレー部のエース、桐島が部活を辞める事になった。理由は分からない。桐島は、クラスでも人気者グループの一人。その桐島の退部をめぐって、部員、クラスメイトが様々な動きをする。グループは関係ないけど、巻き込まれるイケてない映画部の涼也。映画は涼也(神木隆之介)を中心に描かれています。
桐島が部活を辞めた事が分かる金曜日から翌週の火曜日までの5日間を、夫々の登場人物の視点でリフレインするのはすごく斬新。この構成だけでも観る価値はあります。原作同様、桐島くんは出てきません。でも登場人物の動きで、桐島くんがどういう人物かは充分浮かび上がってきます。
主演の神木くんを見ていると、「あぁ自分はどっちかっていうと、こっちの側だなぁ」と言ってるとカミさんから「"どっちかってーと"じゃないでしょ、どっぷりそっち側でしょ〜」と。まるで"あっち側"(人気者グループ)の人間みたいな言い方。「そうですけど何か?w」ああそうですか。
でもさ、確かに高校時代人気者グループじゃなかったかもしれないし、楽しい高校時代だったとは口が裂けてもいえないけど、卒業して30年経って、人気者グループにいた人が人生順調に常に日のあたるところを歩いていたかというとそうでもなく、一方のグループが常に日陰者だったかというとそれも違う。たかが3年の高校時代で人生なんか決まらないってこと。
とはいえ、臆面もなくいうとこの映画の人気者グループで描かれるような青春時代というのにもやっぱ憧れはあり、もう1回高校時代をやり直せるなら、そっちの体験もしてみたいなぁ。
そんなことを人生折り返したおじさんに思わせるほどビビットな映画でした。
ラストのイケてるグループの宏樹とイケてないグループの涼也と8mmカメラを通したやりとりはなかなかドキッとさせられます。
レンタル版を観ましたが、セル版の方がスピンオフドラマとか特典満載らしい。買っちゃおうかな。
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