2013年小中和哉監督。
公式サイト→http://ssrr.jp/
facebookで監督からお誘いがあり、父の葬儀のバタバタの後だったんでちょっと迷いましたがせっかくのお声掛けなんで行くことに。結果的には行ってよかった〜。久しぶりに小中さんに逢えたし、天才アニメーターの板野一郎さん、私世代にとっては神に等しい美少女イラストレーター美樹本晴彦さんにもお目にかかれ、更にサインまで頂くことができた。
「赤々煉恋」は、小中監督最新作。関東では、いまのところ角川シネマ新宿での単館上映。順次地方にも回るとのこと。
切ないお話でした。
女子高生の樹里(土屋太鳳/つちやたお)は自殺をして浮遊霊になって街を彷徨っている。樹里は、寂しさを紛らわすために人々に語りかけるけど、誰も彼女の姿が見えないから答えてはくれない。樹里は死んでから不気味な怪物、虫男を目撃するようになっていた。虫男は心が弱った人間に取りつき自殺をするように誘導する死神みたいな怪物(声は大杉漣)。
ある日、いつものように街をさまよっていた樹里は、一人の小さな女の子りんごちゃんと出会う。ニッコリと笑いかけてきたその子は、樹里のことが見えるのだ。感激した樹里はその女の子と公園で遊ぶ。ある時、公園に戻ってきたりんごちゃんの母親(有森也実)の背後に、あの虫男がまとわりついて、死へ誘っている。団地に向かう母と娘。必死に止めようとする樹里。
と、こんな話。
自殺を絶対に肯定しない私としては、自分の想いを映画化してくれたような感じでした。樹里が何故自殺したのか、自死を選ぶ程のどんな哀しみがあったのかはっきりとは描かれていませんが、最近は少し減っているとはいえ、自殺をする人は毎年3万人もいるそう(2012年は3万人を下回り全国の自殺者数は2万7766人。警察庁まとめ)。全体では減ってきているのに、40代以下はいまだに前年を上回る自殺者が出ています。勿論自殺する人はその人なりに悩みがあって、「もう生きていられない」から、自死を選ぶのでしょうが、ちょっと待って。自分はそれでいいかもしれないけど、周りには絶対に哀しむ人がいて、生きていれば何らかの解決策があると思うのです。それは生きているよりもとても辛いことかもしれないし、その苦しみに一人では耐えられないかもしれない。でも、それでも自死を選んでは絶対にいけないと思うのです。樹里も死んでからやっとそれに気が付いた。遅いって。
明石家さんま師匠が言ってました「生きてるだけでまるもうけ」って。新見南吉の「でんでんむしのかなしみ」にもあるように、辛い事哀しい事、にっちもさっちもいかない事は誰もが持っています。だからみんな頑張ってほしい。
そういうメッセージを受け取りました。
素敵な、だけど考えさせられる映画です。
是非たくさんの人に見てもらいたいです。
(予告編です↓)