日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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「贈られた手 家族狩り〈第三部〉」


贈られた手―家族狩り〈第3部〉 (新潮文庫)
 天童荒太著・新潮文庫

 
 私の場合、両親は揃っていたし、虐待された事も(恐らく)ないので、家族に関する悩みはそれほど深くはない。自分として良かったのは、大学生になって自ら進んで親元を離れたこと。1年の時は、片道2時間以上かけて通学していたのですが、部活やその他諸々あって2年からアパートを借り一人暮らしをする事にしたのです。親はいつまでたっても子離れしてくれず、高校生の頃から干渉し過ぎな感じに苛立つ事が多くなっていました。いちいち言われる母親からの小言に毎度反発をするのに疲れていたのは事実で、もしそのまま実家で暮らしていたら、もしかしたら事件になっていたかも知れません。
 一人暮らしをするようになって多少は怠惰な生活になりましたが、それでもちゃんと4年で卒業する位は真面目だったし、誰にも干渉されずに生活できる快適さを手放さない為に、逆にちゃんと生活をしないとなって意識は確かにあったと思います。


 自分が親になって一番に考えたのは、干渉しすぎない親になろうという事と居心地のいい家にしようという事。勿論親だから、子供たちの事は気になるけど必要以上に共有しようとは思わない。彼らが必要だと思えば、私でなくてもカミさんに話をして色々相談してるっぽい。敷居は低くしているつもりでも、男親ってどうしても疎まれる存在だというのを最近特に感じてちょっと寂しいですけど(^-^;)。

 世の中には家族であるがゆえの悩みに苦しむ人も多い。その悩みや苦しみに対して他人ができる事は限りなく少ない。


 この第3部のラスト近くで、主人公の一人馬見原警部補の妻の佐和子が散歩の途中池に落ちそうになり、近くをジョギングしていた青年に助けられる。優しくしてくれた見ず知らずの青年に「何故見ず知らずの私にそんなに親切にしてくれるのか」と問うと、自分も昔知らない人に助けられたことがあるから、と答える。
 そうなんです。親切っていうのは知ってる人だから助ける、知らない人は助けないってことではなく、自分が受けた親切を他人に帰してあげる事なんです。それも親切を受けた人に音を返すだけの閉じられたものではなくて、その連鎖をどんどん繋いでくことが大切なんだと私も思います。


 いまだに全体像の見えない「家族狩り」
 はたして連続する一家心中は他殺なのか。
 第4部行きます。

贈られた手―家族狩り〈第3部〉 (新潮文庫)

贈られた手―家族狩り〈第3部〉 (新潮文庫)