(自分の体験談は話さないよっww)
この本は、約20年、ラブホテルの従業員をやっている方の悲喜こもごもの体験談。いろいろな同僚の話、お客さんの話が沢山出てきます。恐らく口述筆記をしたものと思われますが、実際に働いていた人の話はやっぱり面白い。
業界の裏話といっても、まぁ想像できる範囲。ラブホテル、結局やることはひとつといいつつ、色々な趣味趣向のお客さんもいて、ルームメイクも大変だったりする。特にスカトロ絡みのお客さんは本当に大変。自分の家じゃないといっても限度がある。その点、SMの女王様は、ブルーシート持参で来るというプロで従業員も一目おいていたとか。
デリヘルを利用するお客さんが一人でチェックインして部屋から電話で呼ぶなんていう使い方も最近ではあるそう。で呼ばれたデリヘル嬢が「またチェンジされちゃった(笑)」と、あっけらかんとフロントのおばさんに話すなんて、なんか微笑ましい。
ホームレスのおじさんが月に1回やってきて、誰も呼ばず一人でTVを観たりお風呂に入ったりしてゆっくりと過ごす、なんて事もあったらしい。お風呂に入るだけなら銭湯にいけばよいけど、番台で断られるからラブホテルにくる。哀しいけど、そういう人も受け入れるラブホテルの愛を感じました。もっともホームレスのおじさんが帰った後の特にお風呂の掃除はすごく大変だとかw
どんな人が来ても、10分でルームメイクを済ませ、まっさらな状態で次のお客さんが利用できるまで綺麗にする。これはやっぱりすごいことだと思う。これから使う時は、ルームメイクの人の作業を考えて綺麗に使わないと…。いやいや、なかなか行く機会ないですがw
人がどんな仕事をしているのか。
仕事の数だけ面白い話、悲惨な話があると思う。そういう自分とまったく違う業界の話というのも面白い。下世話なラブホテルのお話ですけど、そこにはちゃんと人間の営みがあって、おかしな同僚やお客がいる。それは誰も一緒だと思う。飲んで会社の愚痴を話すより、酒の肴にはこういう自分の業界の裏話が一番面白いと思ったりするのです。。
私も今の会社に勤めて20年以上。いろんな経験をさせていただいています。そういうお互いの話を肴に一献いかが。

ラブホテル裏物語―女性従業員が見た「密室の中の愛」 (文春文庫)
- 作者: 大月京子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/12/03
- メディア: 文庫
- クリック: 27回
- この商品を含むブログ (4件) を見る