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「職業としてのAV女優」

職業としてのAV女優 (幻冬舎新書)
中村 淳彦著・幻冬舎新書
AV女優のインタビュー集では早逝した永沢光雄さんの『AV女優』『AV女優2 おんなのこ』が白眉ですが、その意志を継いでいるのが 中村 淳彦さんだと思う。『AV女優』が単体女優のインタビュー集だったのに対して、中村さんの『名前のない女たち』シリーズは、AV女優の中でも一番低い地位である"企画女優"にスポットを当てたインタビュー集でした。

 この本はフリーライターとしてAV、風俗関係の多数の著作がある中村さんによる昨今のAV業界についてのノンフィクション。
 かつてはブルーフィルムの時代があって、日活やオークラのポルノ映画、ピンク映画の時代を過ぎて、70年代末から家庭用VTRが一般人にも手が届くようになると、それに合わせるかのようにエロビデオが出てきました。とりあえず裸だったらなんでもありがたがっていた時代から、80年代中盤小林ひとみが出てきてから俄然AVに出てくる女性が可愛くなった。以降今まで脱ぐ必然性のないような美しい女性がどんどんAV女優になっています。
 女性の質(というと怒られますけど)はすごく高くなっていて、単体女優のみならず、名前も出ない企画女優ですら、すごく可愛い人が出ています。この本によると、かつてはお金に困ってAV女優になる人が多かったけど、今は軽い気持ちでAV女優になりたい人が多いとか。年間6〜8000人がデビューし、同じくらいが消えていく。完全に買い手市場だから、出演料が安いだけでなく、そもそも書類審査で落とされる人も多くその倍率たるや25倍以上。幾度かの不祥事を経て、業界も健全な方向に進んでいて、危険が減ったのも理由ですが、それでもAV経験を胸を張って言える時代には程遠いのも事実。

 単体女優の寿命は短く、かといって企画女優では安いと1回1〜3万という低額のギャラ。肌を露出して、性行為を見せても生活の足しにもならないような状況。なんかすごい時代になりました。。 

巻末にこんな言葉があります。 
「社会が裸の仕事に対して以前より寛容になったといってもカラダを売っている現役時代は、楽に稼げることの代償として他人から信用されづらく、恋愛をしてもうまくいかず、成長した友達からは見放され、周囲からは転落したと蔑まれる、ということが起こりがちである。(中略)一般社会との感覚のズレや消せない裸の商品など、カラダを売って収入を得るということはさまざまなリスクが潜んでいる。他に生きる道があるのならば、簡単に手を出さないに越したことはない。」
これに尽きます。

ちょっとでもAV女優になってみたいと思った人は、一度立ち止まってこの本を読むことをお勧めします。男ですから、沢山のAV女優に本当にお世話になりましたが、裸は好きな人にだけ見せるのが良いです。

職業としてのAV女優 (幻冬舎新書)

職業としてのAV女優 (幻冬舎新書)