2016年東映・金田治監督
タイトルのまま仮面ライダー1号、本郷猛(藤岡弘、)主人公の新作。amazonプライムにて。
1971年にはじまった仮面ライダー、当時6歳の私は完全にリアルタイムでした。でもまぁまともに見ていたのはV3の途中まで。その後のライダーは1話は必ず見ていましたが、飛ばし飛ばし見てた程度のライダーファン(「―響鬼」は平成版で全話ちゃんと見た唯一のシリーズ)。やっぱり、第1作の1号〜2号〜新1号までの話と、V3の冒頭までが、一番好き。
そんな私にとって、確かに本郷猛はレジェンドですが、今の藤岡弘、に仮面ライダーを演じさせることに違和感を感じます。「何言ってんだ、本郷猛は藤岡以外にない!」というファンの方もおられると思いますが、メインではなくサブに回るべきではないかと。この映画最初から最後まで本郷猛の映画です。若い頃から30キロは太ったであろう藤岡に合わせて太った仮面ライダー。まるで1979年の「仮面ライダー(スカイライダー)」に出てきた"がんがんじい"みたい。動くとかっこいいのはスーツアクターのおかげですが、それにしてもちょっと不格好すぎます。
96分の本編で語るには詰め込み過ぎな脚本もいまいち乗れ切れなかった理由。藤岡弘、が企画段階からかかわっているせいか、"説教臭さ"が出過ぎていて純粋に楽しめない。「命が大切」はよいけど、その一方で「俺は不死身だ」って、不死身な人に言われてもなぁ…(^^;)。作劇上でも、命を大切にしている人とは思えない暴力てんこ盛り(冒頭)。長年の戦闘で改造人間の身体に負荷がかかって回復不能なダメージを受けている、って設定も、そもそもあんた科学者で、最初のフォームから今回のフォームに至るまで何度も再改造してるんじゃ?そんな状況で「長年の負荷」と言われてもちょっと違うんじゃない?と思ってしまいました。
同様に残念な脚本でしたが、仮面ライダーをリメイクした「仮面ライダー THE FIRST」は造形もよく、"定期的な施術(インジェクション)を受けなければ死に至る"という設定も、臓器移植の際の拒絶反応的なものと考えると納得がいく設定でした。サイクロンもかっこいいし、続編でV3が出てくる「―NEXT」と合わせて、実は結構好き。
ちゃんとした仮面ライダーのリメイクってできないんでしょうかねぇ。どうもいろんなしがらみで捻じ曲げられてるような。毎年作られるライダーもとてもじゃないけど「仮面ライダー」という冠は不要なものばかり再生産され続けるし。