日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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横綱という称号


 話題の暴力事件での引責で日馬富士が自主的に引退宣言をしました。

横綱の品格基準は日本相撲協会によると、
一、相撲に精進する気迫
二、地位に対する責任感
三、社会に対する責任感
四、常識ある生活態度
五、その他横綱として求められる事項
とあります。単に強いだけでは、本来横綱にはなれません。横綱審議委員会の諮問で「品格抜群」の裁定があり初めて横綱になることができるけど、横審が選んだにもかかわらず、朝青龍への引退勧告がされたり、今場所では横綱白鵬が自分が負けた相撲に対して自ら物言いをつけるという前代未聞な行動に出た。本当に品格を論じているのか疑問を感じる。

 横綱は強けりゃいいってもんじゃない。近代スポーツだなんだという声に耳を貸し過ぎ。海外勢がいけないとは言わないけど、不祥事を起こすのは海外勢ばかりなのは、神事からの発祥である相撲、国技である相撲ということをおざなりにしている結果じゃないかと思います。確かに強いことは一つの条件であることは絶対に必要な事だけど、それだけで横綱の称号を与えた結果が、今回の日馬富士の引退に繋がっている。

 今や鉄拳制裁が許される時代ではない。希少な横綱を守ろうとする協会の気持ちもわからないではないけど、あまりにも世間を知らなすぎだし、貴乃花巡業部長をなんとか悪者に仕立てようと、様々な工作をしているのは見え見え。自浄作用のない組織に未来はありません。

 日本の武道では、時に不合理ともとれる"精神性"を求められます。
 TVでも紹介された弓道の増渕敦人教士七段は、9割を超える的中率を誇り、 29歳で天皇杯を史上最年少優勝。40〜60代が最も充実すると言われる弓道の常識を覆した。しかし翌年、矢を全て的中させたにもかかわらず、予選敗退。 理由は「単なる的当てで弓道ではない」というものでした。
 弓道でよく「当て弓」といい方をします。的に中てる競技で単に中てるだけではないとは何ぞや?と思うかもしれません。昇段審査においても、初弐段においては中りについては不問で、入場〜行射〜退場までの所作をしっかり学んでいるかを見られます。参段になって初めて中りが重視されてきますが、それでも中ればよいというものではなく、甲乙皆中しても、昇段できないケースは普通。

 品格という明文化されていないものをしっかりと判断するのが、横審の役割であり協会が最も重視すべきこと。それをおざなりにした結果が今回の問題の大きな理由だと思います。
 日馬富士横綱の称号を与えるべきではなかった。横綱の品格は備えていなかった。いくら強くても、いくら横綱が不在でもその称号に見合う人物でなければ横綱の称号を与えてはいけません。
 猛省すべきは、横審と協会であって、日馬富士ではないと思います。