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「砂の器」(1974)サウンドトラック

「砂の器」~コンプリートサウンドトラック盤~野村芳太郎の世界

 三連休中、体調が悪かったのでGEOのネットレンタルでCD借りてwalkmanに取り込んでました。
 そこで、「砂の器」1974年松竹版のサウンドトラック「『砂の器』~コンプリートサウンドトラック盤~野村芳太郎の世界」を借りました。
 30年くらい前に、「砂の器のクライマックスで演奏される「宿命」のみのサウンドトラック「砂の器 サウンドトラックより ピアノと管弦楽のための組曲「宿命」」はLP買いましたが、1974版「砂の器」は、それ以外に2枚サウンドトラックが出ていました。
 一つは2014年に発売された音楽マスターテープからのCD化された「あの頃映画サントラシリーズ 砂の器 映画オリジナル音楽集」で、もうひとつは映画公開後に上記とともに発売された「オリジナル・サウンドトラック 砂の器」です。今回借りたのは、1975年に発売された2枚をセットにしたもの。
 サントラ盤の方初めて聞いたんですが、なんと”ドラマ版”。
1) プロローグ…冒頭のオープニング音楽。
2) あらすじ…シナリオのト書きを繋いだあらすじ。
3) 白い道と4) 影 は、メインテーマの歌詞付バージョン。歌は菅原洋一が唄ってます。本編では流れていないので初めて聞きました。「犬神家の一族」の歌詞付バージョンも衝撃的でしたが、それに匹敵する驚きでした。
そして、クライマックスの捜査会議と「宿命」演奏のくだりの名場面を繋いだ
5) 「宿命」。
これがもう名シーンを余すところなく収録していて、ウォークマンで聞きながら電車の中にも拘わらず涙が…(T_T)。
 youtubeに5)宿命 がそのままアップされてました↓

砂の器 (1974) オリジナル・サウンドトラック 完全版②
 「宿命」は音楽監督芥川也寸志作と間違われることが多いですが、正しくは東京芸術大学作曲科出身で卒業後はジャズピアニストとして活躍されていた菅野光亮氏。クライマックス和賀英良の演奏も彼。菅野光亮さんは44歳の若さで1983年に他界しています。

 「砂の器」は、もう何度見たかわからない日本映画名作中の名作です。


 あまりに感動してカミさんに聞かせたら、
 カミさん「あたし「砂の器」あんまり好きじゃないんだよねー」と衝撃の発言!
 私「なんでさー」
 カ「なんか貧乏くさいんだもん」
 私「え?」
 カ「それとね、このお話しって一番悪いのは本浦千代吉だと思うのね。不治の病になって奥さんに逃げられたのはかわいそうだと思うの。でも、そんな体で最愛の息子と離れたくないばかりに遍路姿で村を出て、そんなのって秀夫にとって最良の選択じゃないでしょ。千代吉は別れがたくても秀夫と別れて最初から病院にいくのが一番よかった。この構図は「火垂るの墓」と同じで、清太の勝手で叔母さんの家を節子と出て挙句の果てに節子を病で亡くしてしまう。冷静に判断できない奴に未来はない。」

…怖いよ、カミさん。そうなんだけど、そうじゃないんだなぁ。そういう莫迦な事をしちゃうのが人間で、だから、哀しいんですよ。なんでも冷静に割り切る事なんてできない。

加藤嘉さんの演技は鬼気迫る。秀夫(和賀英良)の写真をみて嗚咽しつつ「そんな人知らねぇ!」という。知ってるって言ったら、これは秀夫だといったら、立派になった秀夫の過去が明らかになって迷惑をかけてしまう。だから知らないという。なんという親としての情愛。

カミさんがなんと言おうと「砂の器」1974版、日本人なら見たことのない人は是非見るべき作品です。
あ、何度かTVドラマ化もされてますが、1974版を越えた作品はありません。ハンセン氏病を扱っているのも映画版だけです。

映画観たことのある人にはお勧めのサントラです。

「砂の器」~コンプリートサウンドトラック盤~野村芳太郎の世界

「砂の器」~コンプリートサウンドトラック盤~野村芳太郎の世界

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