日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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大林宜彦監督。

80年代に映画の面白さを知ったわたし的に、大林宜彦監督は特別な存在でした。
商業映画第1作「HOUSE」は、1977年で、私はまだ12歳。少年マガジンのグラビアで知り、「なんか変な映画だな」と思ったのを今でも覚えています。
電気紙芝居”と揶揄される大林監督の初期作品は、正直自分の嗜好には合わず、その後特に気にすることなく過ぎていきました。
しばらくして、角川映画の1作、原田知世主演第1作の「時をかける少女」を撮ることが発表されました。大林監督か…。また”電気紙芝居”なんだろうな、と思いロードショー時は見ていませんでした。そもそも「時をかける少女」の映像化は、NHK少年ドラマシリーズの「タイムトラベラー」が至高だと思っていた時期でもありました。
 その後名画座(たぶん池袋文芸座だと思う)で、大林映画特集があって「HOUSE」「転校生」「時をかける少女」の3本立てを観ました。
 衝撃を受けました。
 いまでも”電気紙芝居”的演出はあまり好きではありませんが、「HOUSE」の遊びすぎな映像、一転して「転校生」のリリカルな演出、そしてその2つを融合した「時をかける少女」。
 「転校生」は、男の子と女の子が入れ替わってしまう話。新海誠監督の大ヒット作「君の名は。」みたいな感じですが、冒頭とラストの8mm映像が、同じ8mmなのに、ラスト必ず泣けてきます。
 「時をかける少女」は、とにかく知世ちゃんがかわいい。これは『筒井康隆原作の「時をかける少女」を使った”知世ちゃん”の魅力を最大限に引き出すための映画』と考えると全く正しい。違和感のある物語終了後、エンディングの”カーテンコール”もそう考えれば納得がいきます。

 映画会社に入社し、有名な監督に師事し助監督を経験し晴れて1本の映画を任されるという、旧来の映画システムが崩壊して、どんな人でも映画を撮れる時代になったのは80年代。それは功罪ともにありますが、少なくとも8mmで演出の基礎を独学した映像少年たちは、明らかに新しい時代の映画監督養成システムで、その先駆けとなったのが大林監督でした。

 意志あるところに道は開ける。開拓者たる意識があったかどうかわかりませんが、間違いなく大林監督の後に、大林チルドレンを自認する、私も大好きな”小中和哉監督”をはじめたくさんの演出家が育っているのは間違いのないこと。

 作品は生き続けます。
 大林監督、素敵な作品をありがとうございました。




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