本橋信宏著・河出書房新社
同じ著者による「全裸監督」の姉妹編といった趣なので「全裸監督」を読んだ人にはお勧め。
村西監督との付き合いもあった野田社長の半生を「全裸監督」の本橋信宏さんが約2年にわたりインタビューで構成した日刊ゲンダイの連載をまとめたもの。
80年代後半、堀江しのぶを発掘した野田社長。まさにこれから…といった時に堀江しのぶはスキルス性胃がんで23歳の若さで亡くなってしまう。その後、かとうれいこ、 細川ふみえ 、雛形あきこ、山田まりや、 小池栄子 、佐藤江梨子、 MEGUMI 、 根本はるみ などを次々とデビューさせて、巨乳の一大ムーブメントを作り出した。
それまで胸の大きさはDEFもあれば”巨乳”のくくりに合ったものがGHIくらいないと巨乳じゃなくなった。イエローキャブの台頭以前、胸は隠すもので大きいことは恥ずかしいことだった。胸の大きさを売りにすることはなく、事実、アグネスチャンや河合奈保子は水着になることは極端に少なかった。でも大きな胸に対する需要?はやっぱりあって、アグネス・ラムや榊原郁恵ちゃんは健康美を謳いながらも、豊満な肉体にドキドキしながら世の男性諸氏は引き付けられていました。
ただ野田社長は、名前を売るために水着のセクシーグラビアをとっかかりにしますが、その後は徐々に服を着せていくというこれまでにないパターンでした。また、新人タレントの歌や踊りのレッスン料は通常個人持ちになりがちな芸能事務所において、すべて事務所持ちで行っていたといいます。イエローキャブは色眼鏡で見られがちなセクシーアイドルの事務所でありながら大きなスキャンダルもなく、タレントを育てる野田社長の男気というか人間味あふれる経営が花ひらいた形でした。
その後、分裂騒ぎがあったりして野田社長は新しい会社(サンズ)を起こし、旧イエローキャブは破産申請、会社は消滅(現在のイエローキャブは別会社)。
御年74歳。まだまだ活躍して欲しいものです。
最後にタイトルについて。
何故「新・-」とついてるのかなと思ったら、2004年委野田社長自身による半生記「巨乳バカ一代」(日本文芸社)というのがあり、今回はそれを受けてそれ以降をプラスして新たな半生記としたという事かな。
- 作者:野田 義治
- メディア: 単行本