1962年・本多猪四郎監督/円谷英二監督
「ゴジラvsコング」を観たので、本家?のこちらをアマプラで。
実はこの作品、評価していなかったんです。怪獣映画には原則リアリティを求めていて、ゴジラ映画の中でもその対極にあるのが「キングコング対ゴジラ」。
そもそも物語がおかしい。
テレビ番組『世界驚異シリーズ』を提供しているパシフィック製薬の多胡宣伝部長は、まじめな内容すぎて視聴率が悪い事に怒っている。視聴率回復のための秘策として、南太平洋の孤島、ファロ島にいる巨大なる魔神を取材させるべく2人のTV局員(藤木悠と高島忠夫)を派遣する。
一方南極海では「ゴジラの逆襲」で氷漬けされたゴジラが氷山から目を覚まし、アメリカの原子力潜水艦シーホーク号が遭難し南下。日本に上陸する。
ファロ島のキングコングは、島を襲った大タコ(本物のタコ)と戦った後、赤い汁を飲んで寝てしまう(ここら辺は八岐大蛇のような感じ?)。せっかくなので、このコングを日本に連れて行ってしまおうと画策し、巨大ないかだに乗せてコングを曳航していると、洋上でこんぐは目を覚まし、自ら進んで日本を目指す。せっかくの両雄並び立つ姿をTVに収めようとする多胡部長。この人はこんな状況でも視聴率のことしか考えていない。
中禅寺湖畔、富士山麓と転戦し、最後は熱海城と共に海中に没して両者リングアウトで終わり。
何ともくだらない内容ですけど、なまじシリアスにならないだけに単純に”怪獣プロレス”を楽しむことができます。
「ゴジラvsコング」は、かつて自分の考えたシリアス路線版なのですが、逆に面白くなかった。
「ゴジラvsコング」の怪獣プロレスぶりは、やっぱりすごかったですけど、「キングコング対ゴジラ」の戦いもユーモラス要素はありますが結構激しくてカタルシスを感じます。50年以上前に1000万人以上の観客を動員したのもうなずけます。
もちろん、絵的には今回版の方がすごいですけど、なんにせよCGなんかない特撮全盛の59年前の作品ということを考慮して、頭空っぽにしてみると、これはやっぱり傑作だと思います。
「ゴジラvsコング」を観た人は是非見てほしい快作です。
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