万城目学著・新潮文庫
一千年も前から縁結びをやっている神様のお話。
だいたい人が住んでいるところには神社がある。うちの近くにも神社はあるのですが、散歩とかあんまししないので、初詣くらいしか私は行きません。どんな小さな神社でも人の生活を守ってくれているんですよね。
何万人もの初詣で、お参りした人はお賽銭を投げて、鈴を鳴らしお願い事をする。さすがに神様も全員の願い事は聞いてられないよなぁ、と思う。全く逆のお願いをする人もいるでしょうし、神様って大変。
ところが、ここに出てくる神様は、お願い事を叶えるノルマがあって、しっかり管理をされている。出世するには沢山の願いを捌かないと昇進できない。
ただ、神様は、きっかけを与えるだけで願いを成就させ継続するのは自分自身の力だという。
多分そうなのでしょう。
他力本願で何でも叶ってしまったら人間はどんどん堕落してしまいます。
だから神様にお願いをする、という行為そのものが、願いを叶える第一歩なんだと思います。
物語はどんどん大きくなってきて、この神様がいる地域で大きな地震が発生、神様のお社は倒壊してしまいます。
「地震を鎮めてほしい」
神様はこのお願いを叶えることができるか。。
あ、お話の中に「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」にでてきたかのこちゃんが出てきます。「かのこちゃんー」のときは小学一年生でしたが、今回はちょっとだけ大きくなっていて半年前に弟ができています。
あと、「バベル九朔」という建物が出てきます。これも別作品ですね。
こういうお遊び好きです♪
ほぼすべて会話文なので、落語を聞いているような感じで読みやすいです。
相変わらずの万城目作品。ハートウォーミングです。