三上 延著・メディアワークス文庫
「ビブリア古書堂」の2ndシリーズ。
「ビブリア古書堂の事件手帖」第1シリーズは、北鎌倉の古書店・ビブリア堂の主人栞子さんと本の読めない体質の五浦くんの古書を巡る様々な事件を描いたもの。全7巻。
第2シリーズは、栞子さんと五浦くんが結婚して数年後、扉子ちゃんという娘も生まれていて、相変わらずビブリア堂に持ち込まれる本絡みの問題を解決していく。今巻で3巻目。
殺人事件とかではではない「ビブリオミステリ」というジャンル、らしいです。
今回のお話では、
「怪獣島の決戦・ゴジラの息子」パンフレット
「通俗書簡文」樋口一葉
「ドグラ・マグラ」夢野久作
が扱われています。
戸塚駅近くの古書店虚貝堂の主人、杉尾康明が病没、彼の蔵書を巡り、栞子さんは、元妻の佳穂さんから元夫の蔵書が義父により売り払われてしまうのを阻止してもらうよう依頼される。
あいにく栞子さんは仕事で海外に行かなければならない用があり、夫の五浦くん(ややこしいけど五浦くんは栞子さんと結婚し婿入りをしていて本名は栞子さんの名字、篠川)と娘の扉子ちゃんに後を託す。
何故、義父は息子の蔵書を売ろうとしているのか、佳穂は離婚した夫の蔵書を何故売らせまいとしているのか、そして本来の蔵書の正当な相続者である息子の恭一郎くんはどうしたいのか。
クライマックスに向けて、取り扱われる本との関係も含め謎解きがされて行きます。
物語の中で、亡くなった康明さんは、本を沢山持って、時々ふらりと”読書旅行”に行く、というのがありました。
やったことはありませんが、これ、すごくいいなーと思いました。
私も電車のガタンゴトンというリズムが本を読むのにちょうどよく、読書は専ら電車の中です。
旅行といえば、行った先の観光地を回るのが普通ですが、読書好きは、旅行に行くのにも文庫本を持っていきます。そういえば、私も旅行の時には必ず1,2冊本持っていくわ…。
観光とかではなく、純粋に本を読む為に旅行をする。
一度やってみたいなぁ。
あ、物語は意外な方向に進んでいきます。
栞子さんの母、智恵子さんも登場し、次が気になるラストの引き。
栞子さんと五浦くん、高校生の娘がいるのに気持ちは若い頃のままでとても心地よい夫婦です。
このシリーズ、特に本好きにはおすすめです。