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「コミカライズ魂 『仮面ライダー』に始まる児童マンガ史 」

コミカライズ魂: 『仮面ライダー』に始まる児童マンガ史 (河出新書 056)
すがや みつる著・河出新書
著者のすがやみつるさんといえば、一斉を風靡した「ゲームセンターあらし」の著者です。
元々すがやさんは石森プロ所属で、石森(今は石ノ森)章太郎原作のTV特撮などの”コミカライズ”を「冒険王」や「テレビマガジン」「テレビランド」などに多数描いておりました。

あの頃は、この手の子供向けの特撮が花盛りで、それらに特化した雑誌が多くの出版社から出ていました。それらの雑誌には、原作者本人ではない人がTV特撮番組をマンガ化していましたが、個人的には原作者ではない人が描いているものは”パチもん”って感じがして、しかも話の流れも雑で絵も上手くなかったのであまり好きではありませんでした。これらコミカライズものは、単行本になることも少なく、あっても少ないお小遣いで買うことはありませんでした。

この本は、一時隆盛したこれら特撮やTVアニメの”コミカライズ”がどのように作られていったかを、実際に描かれていた本人によってその裏側を詳細に語られたおそらく唯一の本です。

最近でこそ、コミカライズや音楽で言えばオリジナルでない人が歌っているカバー版などのユニークさが認知され、私も改めてその”楽しみ方”がわかってきましたが、それまではオリジナル・原作原理主義者でした。限られたリソース(自由に使える金は今でこそ増えていますが限りあり、それらを保管する場所、読む時間など)を考えると、手を出すのを躊躇っていました。

しかし、コミカライズものって、雑誌掲載が主で単行本化されることも少なく、出ても少部数だったり、音楽についてもメジャーな人がカバーしている場合以外、例えばオリジナルの人が歌っていない「TVアニメ、特撮大全集」的なものって増版されることはまずない。それだけ希少性がある。先週の「レコード喫茶ふわふわ」でも特集していたカバーソング特集も、オリジナルが所属するレコード会社の歌手ではない場合、違うプロのアニソン歌手が歌っているものが多くあり目からウロコでした。

コミカライズも、以前は原作者ではなく原作者のアシスタントだった人が描いていることも多かった。そういうのって子供心にやっぱりわかっていました。ただこの本を読むと、オリジナルのキャラクターやストーリーはあるにせよコミカライズ作家の方も苦労して作品を生み出していたんだなーということがよくわかります。16pや32pで起承転結をつけるのってそれはストーリー端折らざるを得ません。当時サンデーコミックスで出ていた「機動戦士ガンダム」のコミカライズ、全2巻で語れるわけ有りません。「宇宙戦艦ヤマト」ひおあきら版は全3巻あり、ヤマト好きだったので当時購入し今でもたまに読みます。ただ絵的にはヤマトの喫水線より下が”ふぐ”のように膨らんでいて、今で言うデフォルメなんでしょうけど、キャラクターもアクが強く見た目はちょっと厳しい。内容は、初期設定からのコミカライズでキャプテン・ハーロック(実は行方不明になった古代守)が出てきたりとストーリー的に結構面白いです。

コミカライズというのは、タイトルにもある通り特異に発展していった日本マンガ史の一部であることは間違いなく、その意味でも、これらコミカライズに実際に触れた私達の年代だけでなく、興味のある方には是非読んでいただきたいなと思います。

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