日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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「「フラガール」を支えた映画ファンドのスゴい仕組み」岩崎明彦を読

 何となく映画って監督の作家性が前面に出てきがちですが、映画をつくるにはたくさんの資金がいる。映画を発想し、監督・俳優・スタッフ・ロケ先その他う映画に必要なものを集め映画を作るのはプロデューサーの仕事。費用面では、製作費だけでなく、広告宣伝費(P&A費というらしい)も制作と同じくらいの費用がかかる。掛かった費用は、興業だけでなく、DVDや放送権その他で回収をする。
 プロデューサーは、できるだけ予算を抑え、かかった費用を回収させないといけないけど、監督はもよりよい映画を作ることを考える。そこでは予算に合わせた妥協はあまり考えない。
 この本は、映画をビジネスと考え、ファンドを起こして資金を集めた成功例として「フラガール」を例に解き明かした本。こういう観点で映画を論じた本ってあまり見たことがない。それだけに、興味深く読めました。
 映画には芸術の側面だけではなく、ビジネスの側面は間違いなくある。映画がコケてしまえば、監督にしても次回作を作ることはままならない。たくさんの支持を得る事、ヒットした映画=傑作とは限らないけど、出した資金を回収することは絶対に必要な事。そのバランスが、監督に求められるのは当然だし、一方で監督にできる限り良い条件を作ってあげて、よりよい作品に仕上げてもらう環境を整えるという姿勢がプロデューサーに求められる。当然俳優やスタッフも含め、すべてのベクトルが逢った時に、素晴らしい映画が出来上がる。映画が総合芸術といわれる所以。
私たちの仕事も一緒。一人では何もできない。会社全体のベクトルを合わせ、多彩な人々が、其々の能力を立場々々で発揮した時に会社の業績は向上する。
 映画好きな人だけでなく、特にコンテンツビジネスに興味のあるサラリーマン諸氏にも一読をお勧めします。