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「ヨコハマBJブルース」 を観る。

 1981年工藤栄一監督・東映セントラルフィルム

 松田優作というと、「太陽にほえろ」のジーパンや「俺たちの勲章」の中野刑事、「探偵物語」(TV)の探偵工藤、映画では「最も危険な遊戯」から始まる遊戯3部作といった、荒々しくて、世の中に常に苛立っていて、力のやり場に困っているような演技が目立っており、しかもそちらの方が松田優作像として一般に認知されているのが、本人としては嫌で嫌でたまらなかったらしい。そして、前年の1980年、松田優作の意思を反映し、これまでの伊達邦彦像を一変させた「野獣死すべし」が制作される。原作者の大薮春彦は激怒したとか。その翌年、盟友丸山昇一が脚本を書き、お気に入りの工藤栄一監督がメガホンを取ったこの映画は、商業ベースの映画というより松田優作本人が撮りたかったプライベート映画のような作品です。
 ストーリーは、
 横浜で食えないジャズシンガーをしながら副業で私立探偵をしている"BJ"(松田優作)が、人探しの依頼を受け、青年・明の居場所を突き止める。明は麻薬密売組織のボス(財津一郎)に可愛がられていた。そう、ボスは男にしか興味のない"ゲイ"だった。そんな時、旧友の刑事、椋(内田裕也)と逢うBJ。椋は、BJの元恋人(辺見マリ)と結婚しており、例の闇組織から狙われているので刑事を辞め夫婦で国外に逃げるというが、BJの眼の前で突然椋は射殺される。BJは旧友のかたきをとろうと奔走するが、先々で椋の同僚紅谷刑事が、椋を殺した犯人はBJと思いこみ執拗に追いかける。いよいよ真犯人を突き止めたBJは、麻薬取引の現場でいきなり出てきた紅谷が、組織の連中を全員射殺し取引の現金を盗もうとするのを目撃する。


 誰が本当の悪なのか、だんだんわからなくなってくる。ただ、BJは、そんな中を好きなブルースを唄いながら飄々と横浜の街を歩いてる。「野獣刑事」の工藤監督らしくここでも様々な光と闇の演出があって、松田優作のいる風景を切り取っていく。
 この時の松田優作は、息子の松田龍平と瓜二つ。実子とはいえ、この相似は恐ろしくさえある。

椋と語り合うBJ。松田龍平と似てません?

 荒々しい松田優作しか知らない人には、是非見てほしい作品です。まさに「ブラックレイン」に向かって進み始めた松田優作を観ることができます。
 松田優作の歌うブルースは心にしみるかっこよさ。

 お勧め。
 

ヨコハマBJブルース [DVD]

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