日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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「シコふんじゃった。」を読む。

 以前文庫化されている時に読んでいますので今回2度目。しかも屋根裏の奥にしまいこんでしまい発見するの面倒なので2冊目を買う。。映画は10回以上は観てるな。勿論DVD「周防正行BOX」で持ってる位好きです。
 1992年周防正行監督のオリジナル作品。もう20年以上前になるんですね。小説版は周防監督自ら執筆していますが、映画のノベライズではなく、シノプシス完成し映画化決定したのち脚本第1稿完成後に小説執筆に取り掛かったもの。ですので、映画とほぼ同時に進められたものなので、正確にはノベライズとは異なります。


 監督本人が執筆しているので、基本的な流れは映画と同じですが、小説版は秋平の一人称で語られており、秋平の心の変化が映画よりも細かく描かれています。当時のチャラチャラしたミッション系の大学生が、何の因果か廃部寸前の相撲部に入り、試合に出ることに。大敗を喫して、OBを前に「勝ちゃいーんだろ、勝ちゃ!絶対勝ってやる!」と啖呵を切ってしまい相撲を続けていく中、どんどんと相撲の魅力に引き込まれていく。
 弱小チームが勝ちあがっていく「がんばれベアーズ」的な話ではありますが、この手の話っていうのは、大体優秀な選手や監督が入ったことでチームが劇的に変わっていくっていうものですが、「シコふんじゃった。」の場合、そういう登場人物は一人もいません。一人ひとりの心境の変化が、チーム全体に波及して結果を残す。チームワークの正しいあり方だと思うのです。


 とても重要なシーンがストーリーが映画と異なりますが、その違いを読んで確かめてください。

 
 「お金は分かち合えば減るが、喜びは分かち合えば分かち合うほど増える」と秋平くんは言います。ほんと、その通りです。単に頑張ったものが報われるだけでない事も「シコふんじゃった。」の魅力で、小説版は更にそれを表現しています。

 映画版が良かったっていう人は、是非読んで欲しい小説です。お勧め。

シコふんじゃった。 (集英社文庫)

シコふんじゃった。 (集英社文庫)