日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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[日本SF短篇50 I(日本SF作家クラブ創立50周年記念アンソロジー)」 を読む。


 日本SF作家クラブ50周年を記念し、一年一作50作家で構成するアンソロジー。第1巻にはクラブが発足の1963年から1972年までの10年間に発表された以下の作品が編まれています。

1963年 墓碑銘二〇〇七年 光瀬龍
1964年 退魔戦記 豊田有恒
1965年 ハイウェイ惑星 石原藤夫
1966年 魔法つかいの夏 石川喬司
1967年 鍵 星新一
1968年 過去への電話 福島正実
1969年 OH! WHEN THE MARTIANS GO MARCHIN' IN 野田昌宏
1970年 大いなる正午 荒巻義雄
1971年 およね平吉時穴道行 半村良
1972年 おれに関する噂 筒井康隆


このうち、「退魔戦記」「およね平吉時穴道行」「おれに関する噂」は昔読んだことあります。次巻第2集が、1973〜1982で、一番SFを意識して読んでいたのはこの頃まで。その後はSFものを中心に乱読するようになりました。

 というか、最近の小説って、なんだかんだいってSF的要素がどこかに入ってます。それまでの”空想科学小説”から、星新一小松左京らが切り開いた「日本SF」というジャンルそのものが曖昧になってきたのも80年代位。1975年、神戸開催の第14回日本SF大会のテーマとして筒井康隆が言った「SFの浸透と拡散」がまさに現実のものになったんでしょう。SF好きなんて言うと偏狭な人と思われていたのも今は昔。そもそもSFだなんて意識して読んでる人はそう多くない。私もその一人。

 さて、この短編集ですが、確かに各年を代表する作品をピックアップしていますけど、編集方針として、
1.日本SF界を代表する作家であること
2.各年度を代表する作品であること
3.2012年末時点において日本SF作家クラブ会員(物故会員含む)であること
を条件としてます。

 ある一定の編集方針がなければ作品の選定に迷ってしまうので、仕方ない事かもしれませんが、この年代に平井和正がいないのはどうしても納得行きません。調べたら、平井和正は数年前に退会をしていたらしい。 第2集の時期に活躍した式貴士も同じく会員でないという理由で選ばれていない。これでは日本SF作家現会員による会報的な位置付けにしかならないんじゃない?正直、2人のファンとしては納得行く編集ではない。この2人は巻末解説に触れられるほど重要な作品を残しているのに…。
 
 しかし、それに眼を瞑るとどの作品も4−50年前の作品とは思えないほどビビットで、充分今でも面白くて深い。日本SFは、海外SFよりも肌にあって私は好きです。SF入門書としても、まあ楽しめる1冊。次の第2集までは買おうかな。