日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

思ったこと、思っていること。読んだ本、観た映画、TV。聴いた音楽…。会社でのこと、家族のこと、自分のこと。日々のうつろいを定着させています。はてなダイアリー開始は2003年、2006年4月から毎日更新継続中。2017年6月8日「はてなblog」アカウント取得、2019年1月「はてなダイアリー」から正式移行しました。アクセスカウンター2019年01月26日まではpv(2310365)です。

「透明人間」を観た。


 1954年東宝小田基義監督/円谷英二特技監督

 第1作「ゴジラ」と同年、12月ですからゴジラの後に作られた東宝の変身人間シリーズの第1作目ということになります。大怪獣の出てくる東宝特撮も好きですが、「マタンゴ」「電送人間」「美女と液体人間」「ガス人間第1号」などの変身人間シリーズも結構好きです。


 「透明人間」を最初に観たのは大学生の頃。池袋文芸坐の「スーパーSF日本特撮映画大会」だったと思う。このプログラムで別の作品を目的に観に行って、「透明人間」が気にいってしまったというよくある話。
 で、この初見以来約30年経って、先日amazonでDVDを購入。一昨日の雪かきで体中が痛くて外に出ることができない為、今日は大映画観賞会になってしまいました。他は一緒にamazonから送られてきた「狼の紋章」。こっちの感想はまたあとで。


 で「透明人間」。
 そもそも透明人間というのは、世の男性の"憧れ"でもあったりして、だいたい透明人間になったら「女湯覗きたい」とか「好きな女の子の部屋に忍び込みたい」とか、下種な事を考えがちです。"透明人間もの"の映画は大体そういうシーンが必ず出てきます。2000年のポール・バーホーベンの「インビジブル(原題:HOLLOW MAN)」なんて、映像的には面白かったけど、ストーリーは下種の極み。
 その点東宝の「透明人間」のストーリーは、時代的にエッチなシーンが作れなかったというのもありますが、とても上品なところも好きな理由。
 

 戦時中透明人間による特殊特攻部隊を完成させていた日本軍。戦時投入をしたものの、サイパンで玉砕したと思われていた。その特殊部隊の生き残りがひそかに帰国。ある日、銀座のど真ん中で、交通事故が発生する。何かにぶつかった!と主張する運転手。しかし周りの人間は助手席に乗っていた女性も含め、誰もなにも見ていない。すると車の下から徐々に血を流した男が現れる。彼こそ透明化部隊の生き残りで、透明人間になったことを悔み自殺を図ったということが記された遺書を持っていた。
 「透明人間あらわる」の報は、街頭テレビを通じて伝えられる。そして遺書を宛てたもう一人の透明人間の捜索が始まる。
 キャバレー「黒船」のサンドイッチマンをしている南条は、貧乏アパート「平和荘」に住んでいる。このアパートには目の見えないマリちゃんがお爺さんと一緒に住んでいて、南条とも仲が良い。実はこの南条が透明人間なのだけど、ピエロのメイクで透明人間であることを隠し、普通の人間として暮らしている。
 一方、街では透明人間の仕業として包帯ぐるぐる巻きのギャング団が窃盗、強盗を繰り返している。内心忸怩たる思いでそのニュースをみている本物の透明人間・南条は、そのギャング団が自分の勤めているキャバレー「黒船」の支配人達であることを知る。


 最後はギャング団壊滅に動き出す透明人間ですが、通常透明人間の物語って、透明人間が悪者であるケースが多いのにこの話は透明人間は良い人、というか哀しみを背負ってしまった人間として描かれるところが良い。


 突っ込もうと思えば、なんで透明人間なのに銃で撃たれた血は見える?とか、見えないんだから、そっちみて話すなよ土屋義男とか思うけど、まぁそういう細かい事に目くじら立てると東宝特撮は見れませんw

 
 70分のプログラムピクチャだけど、円谷英二の特撮は脂がのってとてもいい出来だし、戦後9年しかたっていない東京の街並みを観るだけでも一見の価値あり、と思います。