会社で、年1回人権セミナーがあり、全社員がその講演VTRを見ないといけません。
今回は「行列のできる法律相談所」の住田裕子弁護士のお話しでした。
東京大学法学部卒業。東京地方検察庁、大阪地方検察庁等の検事、法務省民事局付検事、司法研修所教官、女性初の法務大臣秘書官と、まだまだ女性の社会進出が難しい中要職を歴任されています。
30分の講演で前半は自身の半生、大学受験から東大入学、検察に入った理由、法務大臣秘書官時代の話など、子育てをしながらどのように仕事をつづけたかというお話し。
ご主人も検事だった為、夫婦での子育てというのは難しく、過酷な検察、秘書官の時代を支えたのは、親だったり、ご近所の人だったと。
今、女性の社会進出が叫ばれているけど、近隣はそういった助け合い的な付き合いはなくなり、親も近くに住んでいなかったりして頼れなかったりで、意識的にはずいぶん向上しているけど、実は難しい時代なのかもしれません。
個人的に思うのは、女性が社会進出することは勿論いいことだと思います。自分なんかよりも優秀な女性はごまんといる。一方で気になるのは、専業主婦が一段下に見られているということ。
社会に出て男性と肩を並べて仕事をする事ばかりが正しいことのように言われますが、専業主婦だって、立派な仕事だと思うんです。だから、社会進出を阻む様々な要素を失くし、男女の区別なく仕事ができる環境を整えていくことが大切なんだと思います。
だから逆に男性もこれまでのような仕事への関わり方は変えないといけないと思います。結婚をして子供が出来たら、女性ばかりに子育てを任せない。男性だからという理由で責任ある仕事をするから家庭の仕事を女性に任せがちになる。
会社は、"滅私奉公"をすることで出世や収入を約束します。女性管理職が増えてきていますけど、時間の融通がききやすい独身者だったり、両親と同居だったりして子育てしやすい環境だったりする人ばかり。政府が女性管理職を増やすとかいうもんだから、本来その資質のない古参の女性社員が管理職になったりする。男性はそのあおりを受けて十分な資質がありながらも後塵を拝する、なんて本末転倒なケースもあったり。何でもかんでも社会進出、管理職登用というのではなく、適材適所で子育てもできる社会を作るということが大切なんではないかと。
セクハラ、マタハラ、パワハラと男女をとりまく環境が劇的に変わってきており、「女性活用」「女性の社会進出」って、根本的に考え方を変えないとどうもおかしな方向に行ってるような気がします。