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「空飛ぶタイヤ(上)」

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)

池井戸潤著・講談社文庫
 三菱自動車リコール隠し事件をモデルに書かれた作品。09年にWOWWOWでドラマ化、昨年長瀬智也主演で映画化されています。
脱輪したトラックのタイヤが、歩いていた母子を襲い、子供は軽傷、母親が即死した事故が起きる。堅実に経営していた中小企業の赤松運送は、社会的信用が失墜、公私ともに苦境に立たされる。"整備不良"とされる事故原因に疑問を持ち自動車メーカーであるホープ自動車に意義を申し立てるが大会社は一向に認めない。大会社は顧客ではなく会社を守る為という論理で動いている。勝算のない中、真実を確かめようとする赤松社長。上巻では、徐々にホープ自動車社内にほころびが露呈するところまで。

 良くも悪くも池井戸作品は"ジェットコースター"ストーリーです。次々と起こるマイナス材料で、もはやこれまで…と思っても事態は好転して巨悪に勝つ。かつての時代劇のように、勧善懲悪です。ドラマ化された「半沢直樹」「花咲舞がだまってない」最近では「下町ロケット」「陸王」など、ドラマ化しやすいストーリー展開です。特にTBS日曜劇場枠は、日曜日の夜なので、欝々としたドラマよりも池井戸作品のように上司や会社に不満を持つ多くのサラリーマンの支持を受け軒並み高視聴率をマークしています。

 小説も一般的に企業小説は難しいといわれますが、池井戸作品はさほど専門用語も使われておらず読みやすい。主人公が窮地に立たされれば立たされるほど、主人公が逆転した時の爽快感は半端ない。
 池井戸作品が面白いのは、どんなに苦境にあっても最後はハッピーエンドになる事が判っているので、安心して読み進めることができる点。読み終わって考えさせられるけど「どよーーーん」となってしまう結末だと食指が伸びない。再Gは何とか解決するんだろうと想像しながらも、主人公とともに思い悩むことができるので、主人公ほど苦境感はないというところも好まれる理由かと。

 さて下巻。
 ホープ自動車は、どのようにして自社のミスを認めるか。興味は尽きない。

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)

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