暁佳奈著・KAエスマ文庫
ヴァイオレット・エヴァーガーデン シリーズ3冊目。ヴァイオレットとギルベルトを中心とした本編に対しての”外伝”となっていますが、上下巻本編の続編でも有ります。
自動手記人形として、依頼人のもとに行き代書をする、というお話であれば、様々な形でお話を紡ぐことが出来ます。一方で、それらのサブストーリーを経由することで、ヴァイオレットが少しづつ人間性を取り戻していく成長も見逃せません。
今回のお話も、ヴァイオレットの代書のお仕事と、一緒にC.H郵便社で働くベネディクトとカトレアを主人公にしたサブストーリー、ギルベルトとホッジンズの出会いと親交を、ヴァイオレットに語るお話、そして本編後に起きたC.H郵便社とライバル社との戦いのお話。これが結構派手な戦闘で、C.H郵便社のリミッター解除した時の恐ろしさ(笑)。
ラストシーンは本編に負けず劣らずの名シーンです。
ヴァイオレットは、生まれながらの戦闘少女として戦場を駆けていたが、最後の戦闘で上司でもあったギルベルト少佐にかけられた「愛している」という言葉の意味がわからない。その意味を知る為、戦後代書屋としての生活を始める。
代書屋(自動手記人形、オート・メモリーズ・ドール)とは、何らかの事情で文字が書けない人や大事な手紙を送りたい人向けに郵便社が行っているサービス。この世界の郵便は民間企業で、集配その他のサービスが異なっている。
愛とはなにか、と問われても、私もよくわかりません。そういう意味では、このシリーズを読むということは、ヴァイオレットと一緒に愛について学んでいることになります。
急いで出さなくても良いので、今後も静かに続いて欲しいと思います。
オススメ。KAエスマ文庫、なかなか売ってないけどねw
#ヴァイオレット・エヴァーガーデン #読書