日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

思ったこと、思っていること。読んだ本、観た映画、TV。聴いた音楽…。会社でのこと、家族のこと、自分のこと。日々のうつろいを定着させています。はてなダイアリー開始は2003年、2006年4月から毎日更新継続中。2017年6月8日「はてなblog」アカウント取得、2019年1月「はてなダイアリー」から正式移行しました。アクセスカウンター2019年01月26日まではpv(2310365)です。

「ラジ&ピース」

ラジ&ピース (講談社文庫)
 絲山秋子著・講談社文庫
 連続して絲山作品を読む。薄いから1日で読んじゃった。
 表題作「ラジ&ピース」は、主人公のラジオパーソナリティ野枝の担当するJYOSHU-FMの番組名。
 仙台のFM局を退社して群馬のFM局に籍を移した野枝。地方局とはいえ、自分がやりたかったアナウンサーという仕事ができて、しかもメインパーソナリティの番組を持っている。番組には固定ファンがいて、番組の評判も良い。なのに野枝自身はじぶんがブスで性格が悪いと自分の殻に引きこもり、プライベートでは愛想が悪い。それなのに、会社の人やヘビーリスナーからは愛され、一人で飲みに行けば初対面の女性から「友達になろう!」と寄ってこられる。本人がどう思おうと魅力的な女性じゃないか。そういう周りの人に支えてもらいながら他人と距離を取ろうとする一方で、自分が辛い時は他人に頼る。ずいぶん身勝手な感じ。結局32歳にもなって他人との関係性に悩む。


 …あ、この嫌な感じは、自分と同じじゃないか。
 絲山作品に出てくる主人公は、すべからく他人との関係が上手くない。野枝も人が羨む仕事についていながら、自分は醜いとか、性格が悪いとかいう。こういう自己矛盾を抱えている。
 自信満々の人ってそんなにいない。みんななんかしらのコンプレックスを抱えて生きている。そして、ちょっと良いことがあると自分の表面にある殻にひびが入り、一枚ずつ殻がはがれていく。人生ってその繰り返し。
 半世紀生きても今だに自分の殻ははがれていないことに気が付きました。

 

ラジ&ピース (講談社文庫)

ラジ&ピース (講談社文庫)